乳児湿疹

乳児湿疹について

赤ちゃんの肌は非常に繊細で、生まれた後の数ヶ月間は、ホルモンの影響により肌から脂分が多く出ることがあります。放置すると、汚れが肌に溜まりやすく、また、赤ちゃんは汗を多くかくため、あせも(汗疹)などの皮膚トラブルが起こりやすくなります。生後間もない新生児から生後半年くらいまでは原因が混在して特定しにくいため、「乳児湿疹」 とまとめて呼びます。この状態は特に、生後3ヶ月から6ヶ月の間に多く見られます。乳児湿疹は成長とともに自然に改善されることがほとんどです。ただし、湿疹が長引いたり重症化することもありますので、注意が必要です。

乳児湿疹の症状

乳児湿疹の最も一般的な症状は、以下の通りです。

・にきび(新生児ざ瘡):生後3ヶ月頃までの赤ちゃんに多く見られ、ほっぺたやおでこにぶつぶつができることがあります。
・赤みのある発疹:頬や頭、腕や脚などに見られることがあります。
・かゆみ:赤ちゃんはかゆみを感じることがあり、それが原因で不機嫌になることもあります。
・乾燥とひび割れ:湿疹部分が乾燥し、肌がかさかさしたり、ひび割れたり、皮がむけたりすることがあります。
・水ぶくれ:場合によっては水ぶくれができ、破れてしまうこともあります。
・かさぶた(脂漏性湿疹):頭などに黄色くべちゃべちゃしたかさぶたができることがあります。

これらの症状が見られる場合は、一度受診いただくことをおすすめします。

乳児湿疹の原因

乳児湿疹の原因は複数ありますが、以下の要因が考えられます。
・遺伝的要因:両親または家族にアトピー性皮膚炎やアレルギー体質の方がいる場合、赤ちゃんもその影響を受けることがあります。
・環境要因:乾燥した空気や高温多湿な環境、刺激が強い石鹸や洗剤などは湿疹を引き起こすことがあります。
・食物アレルギー:乳幼児期には特に、特定の食物(牛乳や卵など)に対するアレルギーが原因で湿疹が見られることがあります。

原因を特定することは容易ではありませんが、様々な要因が重複して影響を及ぼすことが一般的です。

乳児湿疹の治療

・保湿剤の使用:赤ちゃんの肌をしっかりと保湿することが重要です。ベビー用の保湿クリームを使用し、乾燥を防ぎましょう。
・ステロイド外用薬:医師の診断に基づき必要に応じて、低用量のステロイド外用薬が処方されることがあります。
・抗ヒスタミン薬:かゆみが強い場合、抗ヒスタミン剤が処方されることもあります。

治療は、症状の程度や赤ちゃんの肌質によって異なるため、必ず医師にご相談ください。

自宅で気をつけること

・適度な湿度を保つこと:加湿器を利用したり、定期的に部屋を換気したりして、適切な湿度を保つことが重要です。
・お湯の温度:入浴時は、ぬるめのお湯(3738℃)を使用し、長時間の入浴は避けるようにしましょう。
・刺激物の回避:香料や着色料の含まれていない洗剤やスキンケア製品を選ぶように心がけましょう。
・服装に気を付けること:肌に優しい素材の服を選び、通気性が良いものを着せることで、湿疹を悪化させないようにしましょう。

まとめ

乳児湿疹は多くの赤ちゃんに見られる一般的な状態ですが、適切な対策を講じることで症状を改善することが可能です。治療をせずに放っておくと、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などアレルギーの症状が出ることもあります。もし心配な点や気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。


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