小児科

亀頭包皮炎(きとうほうひえん)

陰茎が赤く腫れる?男の子に多い「亀頭包皮炎」とは

はじめに:お子さんの陰部の腫れで心配な保護者の方へ

小さな男の子の陰茎(おちんちん)が赤く腫れて痛がることがあります。
これは「亀頭包皮炎(きとうほうひえん)」と呼ばれる状態で、幼児期によく見られるトラブルの一つです。
正しい対応により改善しますので、過度に心配しないようにしましょう。

亀頭包皮炎とはどんな病気?

亀頭包皮炎とは、陰茎の先端(亀頭)や包皮に細菌が入り込み、炎症を起こしている状態です。
乳幼児から学童前半くらいの男の子に多く見られ、おむつ期のお子さんにもよく起こります。
汚れがたまりやすい部分であるため、清潔に保つことが重要です。

子どもの包茎と亀頭包皮炎の関係

小さな男の子は、ほとんどが自然な包茎の状態です。
これは異常ではなく、成長とともに徐々にむけるようになります。
ただし、包皮の中に汚れがたまりやすく、そこに細菌が繁殖すると亀頭包皮炎を引き起こします。

原因と主な症状

主な原因は、以下のようなものが考えられます。

  • 汚れた手で陰部を触ったことによる細菌感染
  • 尿や汗、垢が包皮内にたまって不衛生になっている
  • 無理に包皮をむいた刺激による傷
  • おむつ内の蒸れや摩擦、ズボンなどでの外傷

亀頭包皮炎になると、以下のような症状が見られます。

  • 陰茎や包皮が赤く腫れている
  • 排尿時に痛がって泣く
  • 膿のような黄色い分泌物が出る
  • 赤いブツブツやただれ、皮膚のむけ
  • 機嫌が悪くなる、落ち着きがなくなる

強い腫れで尿が出にくくなる場合は注意が必要です。

自宅でできるケア

軽い炎症の場合は、ご家庭で以下のような対応を行ってください。

  • ぬるま湯でやさしく洗う(石けんは低刺激のもの)
  • 腫れがあるときは無理に包皮をむかない
  • 清潔なタオルで水分をやさしくふき取る
  • 蒸れを防ぐため、通気性のよい環境を心がける
  • ワセリンを薄く塗って保護する(応急処置として)

数日間のケアで改善する場合もありますが、痛みが強いときは無理せず受診してください。

医療機関での治療

症状が強い場合や、改善が見られないときは医療機関を受診しましょう。
当院では、以下のような治療を行います。

  • 抗菌薬入り軟膏の塗布
  • 症状が強い場合には内服の抗生物質
  • 再発が多い場合は、ステロイド軟膏で包皮を広げる治療

成長に応じて包皮が自然に開く子が多いため、手術は基本的に不要です。
お子さんの様子を見ながら、必要なサポートを行います。

お家でできる予防と日々のケア

以下のようなことを習慣にすると、亀頭包皮炎の予防になります。

  • 入浴時に包皮を無理のない範囲で軽く洗う
  • 石けんは泡立ててやさしく使用する
  • 排尿後や外遊び後には手洗いを徹底
  • おむつ替え時は清潔な手で行う
  • 爪を短くしてお世話の際に皮膚を傷つけない

お子さんが自分で洗える年齢になったら、やり方をやさしく教えてあげましょう。

このような時は受診を

以下の症状があるときは、早めに小児科を受診してください。

  • 尿が出にくい、出ない
  • 排尿時の強い痛み
  • 膿や血が出ている
  • 陰嚢(ふくろ)まで赤く腫れている
  • 発熱、元気がない
  • 家庭でのケアを数日しても改善しない
  • 繰り返し同じ症状が出ている

迷ったときは、お気軽にご相談ください。

まとめ:安心してご相談ください

亀頭包皮炎は、小さな男の子によく見られるトラブルですが、正しくケアを行えばほとんどが改善します。

困られたらときには、お気軽にご相談ください。


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