子どもの伝染性紅斑(りんご病)の症状・感染・受診の目安について解説します
「ほっぺがりんごのように赤い」――そんなお子さんをみかけることがあります
これは「りんご病」、正式には伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)という病気かもしれません。
パルボウイルスB19というウイルスが原因で、主に4~9歳の子どもに多く見られます。
米子市周辺でも、特に春から初夏にかけて流行することがあります。
感染の多くは咳やくしゃみのしぶき(飛沫感染)や、ウイルスの付いた手や物を介した接触感染で広がります。
幼稚園や学校、ご家庭内での感染が多く見られます。
発疹が出る前の「風邪のような時期」が最も感染力が強いので注意が必要です。
感染から症状が出るまでには10~20日程度の潜伏期間があります。
最初は風邪のような微熱・だるさ・頭痛などが出て、その後に以下のような症状が見られます。
感染しても約3割の子どもは無症状で終わることがあります。
こうした場合でも、ウイルスは他人にうつる可能性があるため注意が必要です。
顔が赤くなった時点では感染力はほとんどないため、出席停止の必要はありません。
ただし、お子さんの体調次第では無理をせず、休ませてあげましょう。
施設によっては登園許可証が必要な場合もありますので、事前にご確認ください。
りんご病には特効薬やワクチンはありません。
基本的には自然に治るのを待つ病気です。
つらい症状がある場合には、解熱剤などで症状を和らげる対症療法を行います。
予防の基本は次の通りです:
※このウイルスにはアルコール消毒が効きにくく、石けんと流水での手洗いが必要です。
妊婦さんが感染すると、胎児に影響が出る可能性があります。特に妊娠20週頃までは、胎児の貧血やむくみ(胎児水腫)を引き起こすことがあるとされています(妊娠20週未満の感染例では、20週以降に比べて胎児死亡率が高くなるとされています)。⇒ ( 参考資料1、資料2)
また、免疫力が弱い方や貧血のある方では、症状が重くなることがあります。
周囲で流行している時期には、ご自身やご家族の予防に注意しましょう。また妊婦の方や基礎疾患で不安のある方は、主治医の先生に相談しましょう。
このようなときは受診を考えてください:
当クリニックでは、必要に応じてりんご病関連の検査や他の感染症の検査も行っています。
気になる点などあればご相談ください。