水痘(みずぼうそう)は、「水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)」によって引き起こされる感染症です。
強いかゆみと発疹が特徴で、かつては子どもが一度はかかる病気とされていましたが、現在はワクチン接種によって多くが予防可能となっています。
感染の方法は、空気感染・飛沫感染・接触感染と多様で、非常に感染力が強いのが特徴です。
潜伏期間:10〜21日間(平均14日程度)
感染経路:
- 空気感染(同じ空間にいるだけで感染)
- 飛沫感染(咳やくしゃみによる)
- 接触感染(水疱やかさぶたに触れる)
これまで1〜2歳に多かった水痘ですが、2025年の流行では6〜14歳の小学生・中学生に多くみられます。
中には、15歳以上で初めて感染した例も報告されています。
コロナ禍によって集団生活の機会が減り、自然感染や免疫獲得の機会が失われた
ワクチンによる免疫が時間とともに弱まる(免疫減衰)
地域全体の集団免疫の低下
発熱:38℃前後の発熱が2〜3日
発疹:全身にわたる水疱(水ぶくれ)が多数出現
経過:発疹は約1週間でかさぶたになり治癒
かゆみ:非常に強い
発熱がない、またはごく軽い
発疹が少なく、水疱ができないこともある
虫刺されのような見た目で、気づかれにくい
数日で回復するなど、症状が非常に軽い傾向
ワクチンを接種しているお子さんの場合、典型的な症状が出ないことが多いため、虫刺されや他の皮膚トラブルと間違われることがあります。
必要に応じて以下の検査を行うことがあります:
血液検査:抗体の有無を確認
PCR検査:水疱内容液などからウイルスを検出
接種回数 | 発症予防効果 | 重症化予防効果 |
---|---|---|
1回接種 | 約80〜85% | ほぼ100% |
2回接種 | 発症リスクが大幅に減少 | 集団感染の防止にも効果的 |
1回目:生後12〜15ヶ月未満(MRワクチンと同時接種可)
2回目:1回目から6〜12ヶ月後、3歳の誕生日前日までに
接種後でも10〜20%程度に感染が起こる可能性あり
ただし、症状は軽く、水疱の数も少ない傾向
短期間で治癒しやすく、重症化はほとんどありません
ワクチン接種歴
周囲での感染状況
発疹の数や経過
必要に応じて検査を実施
抗ウイルス薬(バラシクロビル):発症後48時間以内の投与が効果的
外用薬(カチリ軟膏など):かゆみ止めとして使用
搔き壊しを防ぎ、二次感染や痕(あと)を残さないように注意
すべての発疹がかさぶたになるまでは登園・登校ができません
通常は発症から7日程度ですが、個人差があります
医師による登園・登校許可証の発行が必要です
アセトアミノフェンなどの解熱剤使用(インフルエンザでも使える成分)
爪を短く切って搔き壊しを防ぐ
通気性のよい服を着せて、汗でかゆみが増さないように
冷却や外用薬でかゆみを軽減
水分補給と安静を大切に
**定期接種(1〜3歳)**をしっかり受けましょう
**任意接種(3歳以上)**でも予防効果があります
水痘の患者に接触してしまった場合は、72時間以内の緊急接種で軽症化や発症予防が期待できます
鳥取県西部地域(特に米子市周辺)では小中学生を中心に水痘が散発的に流行中
ワクチン接種後でも軽症で感染する可能性があります
症状が軽く見逃されやすいため、早めの受診が大切です
発疹と発熱が同時に出た
水痘の患者と接触歴がある
持病がある、または免疫力が弱いお子さん
虫刺されか判断がつかない場合