小児科

虫刺されとその対策(鳥取県西部地域・米子市周辺)

はじめに

夏になると、蚊やダニ、ヌカカ(干拓虫)などの虫刺されが増えてきます。
特に小さなお子さんはかゆみに耐えられず掻いてしまい、傷や感染の原因になることもあります。
米子市でも毎年5月〜7月ごろ、弓浜地区を中心にヌカカの被害が報告されています。
今回、お子さんを虫刺されから守るための予防・対処法についてわかりやすくお伝えします。

虫に刺されて腕をかいている男の子と、近くを飛ぶ蜂と蚊のイラスト。かゆみに苦しむ子どもを表現したイメージです。 蚊に刺されて赤く腫れた子どもの腕と、イラストで描かれた蚊。かゆみや腫れの様子がわかる写真です。

虫刺されの原因となる虫について

  • 蚊:夕方から夜にかけて活発に動きます。刺されるとかゆみと赤いふくらみができます。

白い背景に倒れている蚊の写真。細長い体と長い足、透明な羽が特徴的です。

  • ダニ:寝具やカーペットなどに潜んでいて、就寝中に刺されることがあります。赤く盛り上がることが特徴です。

白い背景に写ったマダニの拡大写真。吸血する前の丸みを帯びた小型のダニです。

  • ノミ:ペットのいる家庭に多く、足元を中心に複数の赤い発疹が出ることがあります。

白い背景に写ったノミの拡大写真。跳ねるような動きが特徴の、小さく黒っぽい寄生虫です。

  • ブヨ:川や山間部などに多く見られ、刺されると強い腫れや痛みが出ることもあります。
  • ヌカカ(干拓虫):米子市の干拓地周辺に多く、5月〜6月にピークを迎えます。非常に小さく、網戸もすり抜けるため注意が必要です。

ヌカカ(干拓虫)のイラスト。小さく黒っぽい体に斑点模様の羽をもつ吸血性の虫で、米子市など干拓地周辺に多く発生します。

虫に刺されたときの対処法

  1. まずは水や石けんでゆっくり洗い流します。
  2. 冷たいタオルや保冷剤で冷やすと、かゆみや腫れが和らぎます。
  3. 薬を使う場合は、非ステロイド性のかゆみ止めや、赤み・腫れが強ければステロイド入り軟膏を使うと効果的です。
  4. 掻き壊してしまい、とびひ(伝染性膿痂疹)が疑われる場合は抗菌薬が必要になることもあるので、受診をおすすめします。

ご家庭でできる虫刺され予防

  • 外出時には長袖・長ズボンで肌の露出を少なくしましょう。
  • 子どもにも使える虫よけスプレー(イカリジン成分)を使用すると効果的です。
  • 寝具やカーペットはこまめに掃除・洗濯・乾燥し、ダニ対策をしましょう。
  • ヌカカ対策には、朝夕の外出を控えたり、窓に防虫ネットを追加したりすることも有効です。

受診の目安

以下のような症状があれば、早めに小児科を受診してください。

  • 腫れや痛みがどんどん強くなる
  • 熱を持っている、膿んできた
  • 1週間以上治らない
  • 刺されたあとに息苦しさ、じんましん、顔や口の腫れが出る(アナフィラキシーの可能性)

まとめ

虫刺されは誰でも経験する身近な皮膚トラブルですが、小さなお子さんにとっては大きな負担になることもあります。
予防と早めの対処で悪化を防ぎ、かゆみや腫れを和らげてあげましょう。
気になる症状があれば無理せず受診してください。

当クリニックでは・・・

当院では、お子さんの虫刺されや皮膚のトラブルに関するご相談をお受けしています。
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