水いぼ(医学的には「伝染性軟属腫」と呼ばれます)は、ウイルスによってできるブツブツで、特に幼児〜小学校低学年の子どもによく見られる皮膚の感染症です。
つるっと光沢のある小さなできものが肌に現れ、まるで「水の玉」のように見えることから「水いぼ」と呼ばれています。痛みはほとんどなく、放っておくと数ヵ月〜数年で自然に治ることもありますが、数が増えたり感染が広がったりする前に対処する方が治りやすいです。
水いぼは、「伝染性軟属腫ウイルス」というウイルスに感染することで発症します。感染すると、1〜5mm程度の丸い小さなイボが肌にできます。
✅ 見た目の特徴:
肌色〜白っぽい
表面がつるつる
中央が少しくぼんでいる
かゆみや痛みはあまりありませんが、アトピー性皮膚炎や乾燥肌のお子さんではかゆみが出て、かき壊してしまうこともあります。
水いぼは直接肌が触れることでうつる感染症です。
お風呂やプールで肌が接触したとき
兄弟でバスタオルを共用したとき
水いぼをかいた手で他の部位を触ったとき
💡 プールの水自体ではうつりませんが、浮き輪やタオルの共用には注意が必要です。
水いぼの治療にはいくつかの選択肢があります。お子さんの年齢や水いぼの数に応じて、医師と相談しながら決めていくことが大切です。
自然に治るのを待つ方法。数が少なく軽症ならこの方法も選べます。
体の免疫力を高めて自然治癒を助けるサポート薬。2歳頃から服用できます。
皮膚の状態によっては、いわゆるかゆみ止めを使うことがあります。
国内では保険適用はまだですが、近い将来「カンタリジン」という新薬が使えるようになる可能性があります。
専用器具で水いぼを取り除きます。痛みを抑えるための麻酔テープが使われます。
当クリニックでは施行しておりません。皮膚科専門の先生をご紹介しています。
日々のスキンケアとちょっとした工夫で、水いぼの広がりを防ぎましょう。
✅ 掻かない工夫
爪は短く清潔に。乳幼児はミトンを活用して。
✅ 肌を保湿
乾燥肌は水いぼができやすいので、お風呂上がりに保湿剤を塗って予防を。
✅ 共有を避ける
バスタオルや衣類の共用は避け、兄弟でお風呂に入る順番も工夫を。
「自然に治るから」と様子を見るのも一つの方法ですが、数が少ないうちに治療したほうが、お子さんの負担も少なく済みます。
見た目が気になる場所にできたときや、数が増えてきたと感じたときは、無理に自己処理せず、まずは小児科や皮膚科にご相談ください。
当クリニックでは、水いぼに関するご相談や治療にも対応しています。
水いぼは子どもにとってよくある病気ですが、正しい知識と早めの対応が、つらさを減らすポイントです。
ご家庭で気をつけたいこと:
掻かせない工夫を
肌の保湿をしっかりと
感染予防のための生活の工夫
そして何よりも大切なのは、「お子さんの肌に何か気になる変化があったら、早めに専門家に相談すること」です。
水いぼは軽症でも見逃しやすく、対応が遅れると数が増えてしまいます。この記事では症状・原因・感染の仕組み・治療法・予防法まで総合的に解説しました。
ご家庭でのケアに役立つだけでなく、受診のタイミングや治療の選び方を知ることで、お子さんのつらさを減らす手助けになります。気になる症状があれば、無理に自己判断せず、小児科へ相談しましょう。