子宮頚がんは日本では毎年およそ1万人の女性がかかる疾患で、およそ3000人の女性がこの病気で亡くなっています。さらに毎年およそ1200人の女性ががんの治療で子宮を失っています。
子宮頚がんに対しては、20歳以降に子宮頚がん検診を受けることで早期発見ができますが、それ以前に小学校6年生〜高校1年生相当の年齢の女子を対象にした子宮頚がん予防のワクチン(HPVワクチン)を接種することで将来の子宮頚がんを予防できる可能性が高いとされています。
子宮頚がん予防ワクチンは子宮頚がんの原因となる発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)の一部のタイプの感染による子宮頚がんに対する予防効果があることが示されています。
HPVワクチンは2013年に日本で公費接種として開始されましたが、ワクチン接種による副反応の懸念から一時積極的勧奨が中止されていました。しかしその後さまざまな研究により接種による影響に対する解析が進められ、接種に差し支えないことがわかり、2021年11月26日に厚生労働省よりHPVワクチンにかかる定期接種について、積極的勧奨の差し控えを終了することが通知されました。
本年4月1日からのHPVワクチンの積極的勧奨再開に向けて各自治体から対象者に接種案内が届けられていることと思います。子宮頚がんの予防のためぜひ接種していただくことをご検討下さい。
【定期予防接種のスケジュール】
対象者:12歳になる年度初日(小学6年生)から16歳になる年度末(高校1年生)まで。標準的には13歳(中学1年生)
接種回数:3回。
接種を検討される際やご希望される際には、厚生労働省が発行している「HPV(子宮頸がん)ワクチンについてのリーフレット」をご参照ください。