1. 鳥取県感染症流行情報(7/7付、6/26〜7/2集計分)⇒「こちらのページ」第26週確定版を参照
鳥取県西部地区の流行状況
<流行状況 > | <感染性疾患> |
・警報発令中 | ヘルパンギーナ |
・流行中 | RSウイルス |
・やや流行中 |
咽頭結膜熱 |
・散発性に発生 |
感染性胃腸炎 水痘 手足口病 |
6/28現在、鳥取県西部地域ではヘ ルパンギーナの警報が発令されています。またRSウィルスが流行しています。
日常診療では・・・
・ ヘルパンギーナやRSウイルスのほか、アデノウイルス、溶連菌、ヒトメタニューモウイルス、手足口病が時々みられます。
・簡易の迅速検査で 結果を得ることのできない、ウィルス性疾患が多く見られます。
症状としては 発熱、咳嗽、下痢、嘔吐、食欲不振などですが、熱が5日から1週間続いたり、咳き込みが強く続くなど、多彩な症状が見られています。
【ヘルパンギーナ】
・夏かぜの一つで、「エンテロウイルス」というウイルスが原因となります。潜伏期間は2−4日程度で、突然の発熱と口腔内(上あごの奥)に直径1~2mm〜5mm程度の水ぶくれや潰瘍ができて痛みを伴うため、食事や水分の摂取が十分できなくなることが多いです。少し温かくて刺激の少ない喉ごしのよいもの(おかゆ、うどん、スポーツ飲料、お茶など)を中心に摂取してください。
・乳幼児が中心ですが、大人にも感染することがあります。感染経路は飛沫、接触感染が主です。ワクチンなど特異的な予防法はなく、感染者との密接な接触を避け、うがいや手洗い、手指の消毒を行うことが予防法としてあげられます。
・ヘルパンギーナを根本的に治す治療薬はないため、基本的には免疫の働きによって自然に治るのを待ちますが、状態、経過に応じて、症状を和らげる対症療法を行います。
・症状が治まれば、保育所や幼稚園、学校、職場に復帰することができます。
※「ヘルパンギーナ」の病名の由来は?⇒ 水ぶくれを意味する「ヘルペス」と、のどの炎症を意味する「アンギーナ」というドイツ語が合わさったものです。
【RSウイルス】
・潜伏期間……感染から発症までの潜伏期間は2~8日程度です。
2)症状
・鼻汁、鼻づまり
・咳、咳込み、ぜん鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)
・呼吸困難:多呼吸や肋骨の下がへこむ陥没呼吸などの呼吸困難
・無呼吸:生後0〜2か月の赤ちゃんにみられやすいです。
3)診断
・症状:鼻汁、鼻づまり、咳込み、ゼーゼーなど
・周囲の流行状況;非常に感染しやすいため、周囲に感染者がある場合は 感染する可能性が高くなります。
・検査キットによる検査: 鼻の奥から鼻水を採取して、簡易キットで検査します。10−15分程度で結果がわかります。
4)治療
・ 根本的な治療はなく、症状に合わせた対症療法を行います。
咳、 鼻みず、鼻づまり、喘鳴等を和らげるお薬による治療
痰を取り除いたり、気管支を広げる吸入療法
※重症例は入院して 酸素投与や人工呼吸管理を行うこともあります。