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赤ちゃんの疾患ページ(出生後〜3, 4 か月頃)

赤ちゃんのおへそに出る症状・よくあるトラブルと対処法

赤ちゃんのおへそのこと、おへそのトラブルについて知っておきたいことをまとめています。

へその緒のとれる時期とケアの方法

赤ちゃんが生まれてすぐ切られるへその緒は、通常、生後1〜2週間ほどで自然にポロッと取れます。このとき、赤ちゃんが痛みを感じることはありません。

へその緒が取れた後も、おへそが完全に乾くまでは毎日ケアを続けましょう。目安は、取れてからさらに7〜10日ほどです。

ケアの基本は「清潔」と「乾燥」です。沐浴の後は綿棒で水分を優しく拭き取り、しっかり乾燥させましょう。最近では、「消毒せずに乾燥させる」ドライケアが推奨されることもあります。おむつがおへそに当たると湿ってしまうので、折り返したりガーゼを当てて工夫してみてください。

へその緒がまだついている新生児が寝ている様子

赤ちゃんのおへそについて:時々みられるトラブルと鑑別診断

1. 臍肉芽腫(さいにくげしゅ):赤いしこりがじゅくじゅく関連記事はこちら

へその緒が取れたあと、赤いイボのようなしこりが残ってジュクジュクしている場合、「臍肉芽腫」の可能性があります。通常は痛みはありませんが、放置すると感染することもあります。

治療法:結紮(糸で縛る)や硝酸銀での焼灼処置が一般的ですが、最近はステロイド軟膏を使うこともあります。

頻度:新生児の3〜6%に見られる、よくある症状です。

2. 臍炎(さいえん):おへその周りが赤く腫れて臭う

おへその周りが赤く腫れて悪臭があり、黄色い膿が出ていたら「臍炎」かもしれません。細菌感染によって起こります。発熱することもあります。

治療法:抗菌薬の軟膏や内服薬で治療。悪化すれば命にかかわる「敗血症」のリスクも考える必要があります。早めに受診しましょう。

3. 臍ヘルニア(さいヘルニア):いわゆる「でべそ」関連記事はこちら

泣いたときにおへそがポコッと膨らむ「でべそ」。これは腸の一部が飛び出している状態です。多くは自然に治ります。

治療法:2歳までに自然に改善することが多いのですが、改善が不十分な場合や、特に大きなでべその場合は、へその皮膚が余ってしまうこともあります。綿球などによる圧迫療法により、早めに形が良く治るとも言われています。大きい場合や気になる場合は圧迫療法を考えます。

でべそのように膨らんだ赤ちゃんのおへそ(臍ヘルニアの一例)

4. 尿膜管遺残症:透明な液体が出る

おへそからサラサラした液体が出続ける場合は、尿膜管という管が残っている可能性があります。尿が漏れている状態です。かなり稀ですが、おへそのジクジクが続く場合は超音波検査などを行います。

治療法:感染や合併症を防ぐため、状態によっては手術が必要です。

5. 臍腸管遺残:腸液のような液体が出る

胆汁のような液体や便のようなものが出る場合、「臍腸管遺残」の疑いがあります。腸の一部がおへそに通じたままの状態です。かなり稀ですが、おへそが乾燥しにくい場合はこのような疾患を考えます。

治療法:感染や腸閉塞を防ぐため、手術での切除が必要です。

このようなときは受診を考えましょう

  • おへそから黄色い膿が出ている
  • おへその周囲が赤く腫れている、熱をもっている
  • 悪臭がする
  • おへそを触ると痛がって泣く
  • 出血が止まらない・量が増える
  • 1か月過ぎてもへその緒が取れない
  • 透明な液体(尿)のようなものがずっと出ている
  • でべそが硬くなり、痛がっている(嵌頓の疑い)

うまく伝えられないときは、スマートフォンなどで写真や動画を撮っておくと診察がスムーズですよ。

まとめ

赤ちゃんのおへそケアに不安を感じられる場合や、赤く腫れるなど気になる場合には、お気軽にご相談ください。


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