クループは、生後6か月〜5歳前後に多く見られる、ウイルスによる上気道の炎症です。
特徴は「犬が吠えるような咳」、「オットセイが吠えるような咳」や「しわがれ声」、呼吸時の「ヒューヒュー音(息を吸うときの音)」です。症状は秋から春にかけて発症しやすい傾向があります。
「クループ(croup)」という呼び名は、喉から出るしゃがれた声や咳の音を擬音化した英語(「馬のように鳴く」という意味の動詞「croup」)に由来しており、その医療的現象を呼び表す言葉として定着したものです。
最も多いのはパラインフルエンザウイルスで、他にもRSウイルス、インフルエンザ、コロナなどが関与します。ウイルス性なので、抗生物質は基本的に不要です。
録音・録画での記録があると診断しやすいです。クループ様の咳と思われる時は記録をお願いします。
・犬吠様咳嗽:犬が吠えるような特徴的な咳が見られます。
・嗄声:声がかすれることがあります。
・吸気性喘鳴:息を吸うときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音がすることがあります。
これらの症状は夜間や寝ている時、大きな声で泣いた時に悪化しやすいことが特徴です。