小児科

クループ(急性喉頭炎)

クループとは?

クループは、生後6か月〜5歳前後に多く見られる、ウイルスによる上気道の炎症です。
特徴は「犬が吠えるような咳」、「オットセイが吠えるような咳」や「しわがれ声」、呼吸時の「ヒューヒュー音(息を吸うときの音)」です。症状は秋から春にかけて発症しやすい傾向があります。


「クループの意味は?」

「クループ(croup)」という呼び名は、喉から出るしゃがれた声や咳の音を擬音化した英語(「馬のように鳴く」という意味の動詞「croup」)に由来しており、その医療的現象を呼び表す言葉として定着したものです。


症状・受診のポイント

  • 犬吠様咳・しわがれ声:夜間に悪化することが多いです。
  • 重症兆候:胸や首のへこみ、唇や顔が青くなる(チアノーゼ)、ぐったり。夜間の咳でお子さんが苦しそうなら、すぐ受診を。

クループの原因

最も多いのはパラインフルエンザウイルスで、他にもRSウイルス、インフルエンザ、コロナなどが関与します。ウイルス性なので、抗生物質は基本的に不要です。

クループ症候群の症状

録音・録画での記録があると診断しやすいです。クループ様の咳と思われる時は記録をお願いします。

・犬吠様咳嗽:​犬が吠えるような特徴的な咳が見られます。
・嗄声:​声がかすれることがあります。
・吸気性喘鳴:​息を吸うときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音がすることがあります。

これらの症状は夜間や寝ている時、大きな声で泣いた時に悪化しやすいことが特徴です。

家庭でできるケア

  1. **室内湿度5060**に保つようにしましょう。
  2. 水分補給をこまめにしましょう(白湯・水など)
  3. 呼吸がしづらい時などでも、あわてず落ち着いて安静にさせてあげてください

治療

  • ステロイド内服:軽症でも効果あり、30分~2時間以内に効き始め、持続は2448時間。
  • ネブライザー吸入(アドレナリン吸入):呼吸音や咳が和らぎます。
  • 経過観察:内服や吸入後は十分経過をみましょう。改善しなかったり悪化する場合は再度受診を考えましょう。

まとめ:クループ対策チェックリスト

  • 典型的な症状症状:犬吠様咳、しわがれ声、呼吸時の雑音
  • 家庭でのケア:湿度・水分・安静・冷気
  • クリニックでの治療:ステロイド単回投与+必要時ネブライザー
  • 重症兆候があれば、遠慮せず早めに受診を!

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