生まれて1か月の赤ちゃんは、まだ首はすわっておらず、寝ている時間が多いですが、少しずつ外の世界への反応が見られるようになります。たとえば、大きな音がするとビクッと手足を動かす「モロー反射」が見られます。これは神経の発達が順調であるサインです。また、強い光に反応して目を閉じたり、音がするとそちらに顔を向けることもあります。少しずつ「見る」「聞く」といった感覚が発達していきます。
1か月児の問診で確認する主な内容
・哺乳状況(母乳・ミルクの飲み方、量)
・体重の増加状況(最も体重が少なかった時から1日20~30g以上の増加を目安としますが、個人差が大きいです)
・排便状況(回数・色・便秘の有無)
・嘔吐や吐き戻しの頻度
・睡眠や機嫌の様子
・育児に関する心配事
・生理的黄疸(徐々に改善)
・手足先の一時的なチアノーゼ
・授乳後の軽い吐き戻し
・鼻づまり、しゃっくり、いきみ、蒙古斑、生理的O脚
・長引く黄疸(便の色が白い場合は要注意)
・先天性心疾患(唇や爪の色、呼吸の異常)
・股関節脱臼の疑い(足の開きが左右で異なる)
・口腔内や目の異常(白色瞳孔など)
・体重増加不足、体重増加過多
※出生後1か月までの体重増加の目安
・生後2-3日で出生時の5〜10%減少します(生理的体重減少といいます)
・日齢4頃から 体重が戻り始めます
・ 生後2〜3週までに出生体重に戻ります
・ その後の体重増加は1日20から25g以上増加します
また、保護者の方の悩みや不安についてもご相談をお受けしています。
赤ちゃんの健康だけでなく、育児に関するサポートも大切にしています。
この時期の赤ちゃんはまだ昼夜の区別がありません。
夜間の授乳や睡眠不足が続き、保護者の方も疲れやすい時期です。
無理をせず、周囲のサポートを受けながら育児を続けましょう。
また、赤ちゃんの「泣き」は大切なコミュニケーションのひとつです。
泣くことでお腹が空いたことや不快感を伝えています。
「泣きやまない=異常」とは限りませんので、落ち着いて対応しましょう。
1か月の赤ちゃんは、少しずつ「人間らしさ」が芽生え始める時期です。
成長のペースには個人差がありますが、1か月健診でのチェックを通じて、発達の節目を確認できます。
気になることがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。