赤ちゃんの疾患ページ(出生後〜3, 4 か月頃)

臍肉芽腫(さいにくげしゅ)とは?〜赤ちゃんのおへそのしこり

臍肉芽腫とはどんなもの?

臍肉芽腫(さいにくげしゅ)は、赤ちゃんのおへそにできるやわらかく赤い「できもの」です。これはへその緒が取れたあと、傷が完全にふさがらずに、そこから肉芽という組織が盛り上がってくる状態です。痛みはなく、命にかかわることもほとんどありませんが、正しくケアすることが大切です。

主な原因について

臍肉芽腫の原因は、完全にはわかっていませんが、以下のような要因が考えられています。

  • へその緒が取れたあとの傷がうまく閉じない
  • おむつや衣類のこすれ、摩擦による刺激
  • 傷口の清潔が保たれず、軽い感染を起こした場合

予防のためには、おへその清潔を保ち、湿気や摩擦を避けることが重要です。

よくある症状とは?

臍肉芽腫があるときに見られる主な症状は次のとおりです。

  • 赤ちゃんのおへそに赤くてやわらかい小さなしこりがある
  • じゅくじゅくとした分泌液が出ている
  • こすれたときに少量の出血が見られることも
  • 通常、痛みやかゆみはありません

自然に治ることもありますが、治りが遅い場合や分泌液が多い場合は、一度受診されることをおすすめします。

治療法は?

臍肉芽腫の治療法は状態によって異なります。当院では以下の方法から適切なものを選びます。

  • 軽度な場合は清潔と乾燥を保って様子をみる
  • ステロイド外用薬で炎症をおさえる
  • 糸でしばって自然に取れるのを待つ方法(結紮法
  • 医療機関で「硝酸銀(しょうさんぎん)」という薬で軽く焼灼(しょうしゃく)して治す方法
  • 稀に外科的な切除が必要になることもあります

治療は痛みがほとんどないように行いますので、ご安心ください。

ご家庭で気をつけること

ご家庭でのケアもとても大切です。以下のポイントにご注意ください。

  • おへそは清潔に保ち、乾いたガーゼで優しくふきましょう
  • おむつや服がこすれないように気をつける
  • 赤みが増えたり、分泌物が増えたりしたら早めに受診を
  • 医師から指示された軟膏やケアは、忘れずに継続してください

他の病気との見分けが必要になることがあります

臍肉芽腫によく似た病気には、「臍ポリープ」や「尿膜管遺残(にょうまくかんいざん)」などがあります。これらは、生まれつきの体のつくりに関連しており、治療方針も異なることがあります。

おへそのしこりやじゅくじゅくした状態がなかなか治らないときは、臍肉芽腫以外の可能性もありますので、正確な診断のためにも一度ご相談ください。

保護者の方へ

臍肉芽腫は赤ちゃんによく見られる良性のできものです。怖い病気ではありませんが、放置せずに清潔を保ち、必要に応じて適切な処置を受けることで、早く治すことができます。当クリニックでは、赤ちゃんの皮膚やおへそのトラブルにも丁寧に対応しております。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。


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