赤ちゃんの股関節脱臼(こかんせつだっきゅう)は、脚の付け根にある関節が正常な位置に収まらず、不安定になったり外れてしまう病気です。早期に発見し、適切にケアすることで将来の歩行や運動機能への影響を防ぐことができます。
この記事では、股関節脱臼の原因や予防方法、正しい抱っこやおむつの当て方など、日常生活で気をつけたいポイントを詳しく解説します。
赤ちゃんの股関節脱臼は 先天的 なものと 後天的 なものに分けられます。
生まれつき股関節がゆるい状態の赤ちゃんがいます。特に以下の条件に当てはまる場合、リスクが高いとされています。
生後の環境や育児の方法が影響することもあります。例えば、
これらが股関節に負担をかけ、脱臼を引き起こす可能性があります。
赤ちゃんの股関節は、M字型に開いた状態 で安定します。この姿勢を意識しながら抱っこしましょう。
✅ コアラ抱っこが理想的!
赤ちゃんを縦抱きにし、両脚がM字に開くように支えてあげると股関節にやさしい姿勢になります。
🚫 脚をまっすぐ伸ばす抱っこはNG!
股関節に負担がかかり、脱臼のリスクが高まります。
赤ちゃんの股関節の動きを制限しないようにすることが大切です。
✅ ゆったりとした服を選ぶ
股関節を締めつけるような厚手の衣類や、きつめのズボンは避けましょう。
✅ おくるみは上半身のみを包む
赤ちゃんの足を締めつけないように、上半身だけを包み、脚は自由に動かせるようにします。
股関節脱臼は、早期に発見し適切に治療を行えば、ほとんどが問題なく治ります。以下のポイントに当てはまる場合は、早めに小児科医や整形外科医に相談しましょう。
☑ 赤ちゃんの股関節がかたく、開きにくい(開排制限)
☑ 両脚の長さが違うように見える
☑ お尻や太もものシワ(皮膚溝)が左右で非対称
☑ 歩き始めた頃に、びっこを引くような歩き方をする
特に 家族歴がある・女の子・逆子だった という赤ちゃんは、定期的な検診を受けることが大切です。
保護者向けのリーフレット(1)
保護者向けのリーフレット(2)
👩⚕️ 診断方法 股関節脱臼の診断には 超音波(エコー)検査 が有効です。生後1~3か月頃に検査を受けると、まだ骨がやわらかいうちに正しい位置に戻すことができます。
🩺 治療方法 治療は 赤ちゃんの月齢と脱臼の程度 によって異なります。
早期に治療を始めれば、多くの赤ちゃんは問題なく治ります!
赤ちゃんの股関節脱臼は、適切な抱っこやおむつの使い方で予防できます。もし気になる症状があれば、早めに小児科医や整形外科医に相談しましょう。
当院では、赤ちゃんの発育や股関節のチェックを行っています。
「ちょっと気になるな…」と思ったら、お気軽にご相談ください!