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臍ヘルニア(でべそ)

でべそ(臍ヘルニア)とは

でべそは、医学用語では「臍ヘルニア」と呼ばれます。でべそは、赤ちゃんのおよそ5人から10人に1人の割合で見られます。また、生後1か月頃からみられることが多く、生後23か月頃まで大きくなります。治療を行わず経過観察を続けても、2歳までに約90%の割合で自然に改善することが多いです。しかし、改善が不十分な場合や、特に大きなでべその場合は、へその皮膚が余ってしまうこともあります。

でべそ(臍ヘルニア)の原因

へその緒を切った後、皮膚や筋肉、腹膜が縮んで一つにくっつき、くぼんだへその形(これを臍輪といいます)が形成されます。しかし、筋肉や周囲の膜がしっかりとくっつかず、腹圧がかかることで腸が皮膚を突き破って外側に飛び出すことででべそになります。例えば、特に早産児や低出生体重児、多胎児(双子や三つ子など)に見られることが多いです。また、頻繁な咳や便秘など腹圧の上昇が原因となることもあります。

でべそ(臍ヘルニア)の症状

でべその症状の特徴は、おへそがぽこっと外に膨らむような形になることです。指で触れると柔らかく、押し込むと一時的に元に戻ることがあります。泣く、咳をする、おなかに力を入れるなどするとよりでべその部分が目立ってみられます。

治療法

・圧迫療法

かつては自然治癒を待つことが一般的でしたが、最近では綿球を使用した圧迫療法が行われることが増えてきています。方法はいくつかありますが、当クリニックではへその上に綿球を置き、押し込みます。その後、防水テープで約10日間圧迫します。その後、綿球を除去して数日後に再度圧迫を行い、押さえなくても飛び出さなくなるまで続けます。この方法の利点は、自然治癒を待つよりも短期間で改善できることと、見た目がきれいに治ることです。ただし、時には固定テープによってかぶれやへその炎症が起こることがありますので、その点にはご注意いただく必要があります。かぶれが気になる場合は、綿球を除去してから受診していただくことをお願いいたします。圧迫療法は、生後12か月の間に開始すると治りやすいとされています。気になる点があれば早めにご相談ください。

・手術

まれですが、自然治癒が見込めない、痛みが強い、でべそが大きくなりすぎる場合は手術が必要になることもあります。当院では、圧迫療法での改善が見込めないと判断した際は、連携病院の鳥取大学医学部附属病院へ紹介しいます。


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