赤ちゃんがミルクを飲んだあとに口からこぼしたり、少し吐いてしまうことはよくあります。これは「溢乳(いつにゅう)」と呼ばれ、生後まもない赤ちゃんにはとてもよく見られる生理的な現象です。
赤ちゃんの胃と食道のつなぎ目は、まだしっかり閉まらず逆流しやすい構造になっています。そのため、ちょっとした刺激や姿勢によっても簡単に吐き戻しが起こります。元気があり、機嫌がよく、体重も順調に増えているようなら、ほとんどの場合は心配いりません。
このような場合は、胃→食道の逆流による生理的な嘔吐(溢乳)と考えられます。
生後3~4か月は飲む量が増えて、胃も発達途中なので、吐き戻しの回数も増えやすい傾向にあります。その一方で、この時期に胃と食道のつなぎ目の筋肉が発達して軽減していくこともあります。
吐いた内容 | 考えられる原因 | 受診の目安 |
---|---|---|
白や透明 | 一般的な吐き戻し | 観察でOK |
黄色・緑色 | 胆汁が混じる可能性 | 早めに受診 |
赤や黒っぽい | 消化管出血の可能性 | すぐに受診 |
頻繁な吐き戻しや、体重が増えない、機嫌が悪いなどがある場合は胃食道逆流症の可能性があります。成長とともに改善することが多いですが、必要に応じてお薬を使用することもあります。
ウイルス性胃腸炎では嘔吐に加え、下痢や発熱を伴います。水分がとれず、尿の量が少ない、ぐったりしているときは早めに受診してください。
生後2〜4週に多く、ミルクを噴水のように吐くのが特徴です。吐いたあとにもまた飲みたがることも多いのですが、その場合でも嘔吐を繰り返します。治療として手術が行われることも多いです。
特に牛乳由来のミルクでは、嘔吐・下痢・血便が現れることがあります
お腹が張って嘔吐することもあります
不機嫌と機嫌が良い状態を繰り返したり、血便、嘔吐がみられます
新生児~生後4か月は、吐き戻し=生理現象が多い時期です。 色・量・回数・お子さんの様子をチェックすることで、「大丈夫な吐き戻し」と「すぐ受診が必要な嘔吐」をある程度見分けることができますが、「いつもと違う」と感じたときは病気の可能性を考え、早めに相談ください。受診された際には、診察、超音波検査などを実施し、状態や経過に応じて病院と連携をとって診療することもあります。