〇原因と症状
例年12月から翌年3月にピークがみられるウイルス性の感染症で、A型とB型があります。咳やくしゃみによる飛沫感染や、ウイルスが付着したものに触れることによる接触感染があります。
主な症状は突然の高熱、のどの痛み、筋肉痛などで基本的には自然治癒が期待されますが、気管支炎や肺炎、中耳炎などを合併することがあります。またまれですが、インフルエンザ脳症(主な症状;意識障害・けいれん・異常な言動や行動)を発症して命にかかわることもあります。
〇診断
鼻腔ぬぐい液による迅速検査により診断します。
※ただし、おおよそ発症12時間以内に検査した場合には、実際陽性であっても陰性と判定されることがあり検査のタイミングに注意が必要です。
※6才以上で上手に口を開けることのできるお子さんの場合、発症12時間以内でもAIによるのどの写真の画像判定で診断することも可能です(この場合、A型かB型かの判定はできません)。
〇治療
抗インフルエンザ薬(飲み薬、吸入液など)を発症早期(48時間以内)に投与することで有熱期間が短縮されたり、肺炎などの合併症も抑えられるといわれています。
その他、咳や鼻水のおくすりや解熱剤で対応します。
また、あらかじめ予防接種を受けておくことで重症化を防ぐとされています。
〇登園・登校について
学校保健安全法により、発症した後5日を経過し(発熱した日を0日とする)、かつ解熱した後2日(乳幼児は3日)を経過してから、登園・登校してください。登園許可の診察が必要な場合は受診してください。
〇気をつけていただきたいこと
・抗インフルエンザ薬の種類や服用の有無にかかわらず、異常行動が報告されています(特に10代の男児に多いといわれています)。診断されて2~3日は、お子さんを一人にしないよう見守りに注意してください。
【異常行動の例】
〇急に走り出し、部屋から飛び出そうとする(窓を開けてベランダに出ようとする)
〇外を徘徊する
〇興奮状態となり意味のわからないことを言う
〇突然笑い出し階段を駆け上がろうとする など
【対応策】
〇玄関やすべての窓の施錠を確実にする
〇ベランダに面していない部屋で寝かせる
窓に格子がある場合は、格子がある部屋で休ませる
なるべく1階で寝かせる など
・お食事はお子さんの好きなものや消化のよいものを与え、水分も十分とるようにしましょう。
〇こんなときは受診してください
・高熱が続き元気がなく、ぐったりしている
・食事や水分が十分にとれない
・咳で眠れない、何度も吐く
・様子がおかしい などの症状がある場合には早めに受診してください。