小児科

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は子どもに多く見られる呼吸器感染症で、特に5歳から14歳のお子さんに多い病気です。

この感染症は「肺炎マイコプラズマ」という病原菌によって引き起こされ、主に飛沫感染(せきやくしゃみ)で広がります。

1.主な症状

マイコプラズマ肺炎では、以下のような症状が見られることがあります。

  • (特に乾いた咳が特徴で、熱が下がった後も数週間続くことが多い)
  • 発熱(軽度~中等度)
  • 頭痛だるさ(倦怠感)
  • のどの痛み鼻水
  • 胸の痛み耳の痛み

お腹の不調など、症状が風邪に似ている場合もありますが、咳が長引く場合は注意が必要です。

2.検査 マイコプラズマ肺炎の診断や重症度に関して、必要な検査を行います。

1)病原菌検査(主に感度の良いPCR検査を行います):鼻やのどの粘液から、マイコプラズマ菌の遺伝子を検出する確定診断法です。最近増加している「マクロライド耐性菌(ある種の抗菌薬が効きにくい菌)」の有無を調べることもあります。
2)血液検査: 炎症の程度を調べます。
3)胸部X線検査: 肺の状態を調べる検査です。特徴的な影が現れることがあります。

3.治療方法

マイコプラズマ肺炎の治療には、抗菌薬が使われます。お子さんの症状や検査結果に基づいて、以下の薬が処方されます。

  1. マクロライド系抗菌薬(第一選択): 子どもに多く使用される安全な薬です。
  2. キノロン系抗菌薬: 重症例や耐性菌が疑われる場合に用いられます。
  3. テトラサイクリン系抗菌薬: マクロライド系が効かない場合や使えない場合に選択されます。ただし、8歳未満の使用は避けられます。

※マクロライド系抗菌薬に効かない「耐性菌」が増加しているため、治療が長引く場合は耐性菌を疑い、適切な薬に切り替えることがあります。当院では、迅速な診断検査、流行状況により、適切な治療法を選択しています。通常治療開始後23日で改善が見られることが多いです。効果が確認できない場合は「耐性菌」の可能性を考えて抗菌薬を変更することもあります。

4.予防するためには?

マイコプラズマ肺炎の感染予防には、以下のポイントを心がけましょう。

  • 手洗いを徹底する: 外出後や食事前など、こまめな手洗いが大切です。
  • 咳エチケットを守る: 咳やくしゃみをする際に、口と鼻を覆うようにしましょう。
  • 人混みを避ける: 感染が広がりやすい場面をできるだけ避けることが有効です。

5.当院での診療

お子さんの咳や発熱が続く場合、早めの受診をお勧めします。当院では、最新の検査機器を使用し、迅速かつ適切に診断・治療を行っています。お子様の健康を第一に考え、丁寧なケアを心がけていますので、気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。


診療時間 電話 Web予約 アクセス