小児科

溶連菌感染症

子どもの溶連菌感染症対策 – 迅速な診断と治療、注意点について

〇溶連菌とは
A群β溶血性連鎖球菌という細菌がのどに感染することが原因で、515才くらいのお子さんに発症することが多く、園や学校で流行することも多い病気です。

〇症状
発症は急激でのどの痛みではじまり、38度以上の発熱、倦怠感、頭痛がみられ、小児では吐き気や嘔吐、腹痛もしばしばみられます。また体や手足に小さい赤い発疹がみられたり、舌はいちごのように赤くぶつぶつが目立つようになることもあります(いちご舌)。
一度感染し治っても、繰り返し感染することがあります。

〇診断
のどを綿棒でぬぐい検体を採取し、迅速検査により診断します。

〇治療
抗生物質を10日間内服します(種類によっては5日間のものもあります)。12日で熱が下がり、のどの痛みも消えます。その後指先の皮膚の皮がむけてくることもあります。
まれに重症化して、リウマチ熱や腎炎を発症することがありますので、指示通り最後までおくすりを飲むことが大切です。

〇気をつけていただきたいこと
・ご家族の間でご兄弟や大人の方にも感染が拡がることがよくあります。発熱や咽頭痛などの症状がみられる場合には、医療機関を受診して検査をうけてください。
・溶連菌は咳やくしゃみによる飛沫感染や、菌が付着したものを触ることによる接触感染で拡がりますので、家庭内でもマスク、うがい、手洗いなどの予防が大切です。
・のどの痛みが強いときは、熱いものや辛いあるいは酸っぱい食べ物は避け、刺激の少ないのどごしの良いものを与えましょう。
・溶連菌感染症と診断されてしばらく経過したのちでも、関節の痛み、体のむくみやおしっこが赤いなどの症状がみられたときには合併症の可能性がありますので、受診してください。
※当院では腎炎の合併症の確認のため、感染後1か月程度経過した時点での検尿をおすすめしております。

〇登園・登校について
抗生物質を飲みはじめて24時間以上たって熱がなければ感染力はなくなっているので、登園・登校はできます。

〇こんなときは受診してください
・高熱が続き元気がなく、ぐったりしている
・のどの痛みが強く、水分が十分にとれない  などの症状がある場合には早めに受診してください。


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