小児科

アデノウイルス

〇アデノウイルスとは
高熱やのどの痛みなどのかぜ症状や、目の充血・涙目などの結膜炎症状を引き起こすウイルスの一種で、感染力が強く、夏かぜの一つであるプール熱(咽頭結膜熱)はやり目(流行性角結膜炎)の原因ウイルスとしても知られています。
アデノウイルスによる症状は、溶連菌やインフルエンザ、川崎病などの症状とも似ているため見分けるのが難しい場合があります。これらの病気にかかっているときは、早めの治療が必要となりますので、熱やのどの痛みの原因をはっきりさせることが大切です。

〇症状
高熱が5日程度続きます。のどの痛みに加え、目の充血、おなかの症状など様々な症状を引き起こします。まれに肺炎などの重い病気を発症することがあります。

〇診断
のどを綿棒でぬぐい検体を採取します。胃腸炎を起こしている場合には糞便を採取し迅速検査にて診断できます。

〇治療
このウイルスに直接効くおくすりはなく、必要に応じ咳やのどの痛みを抑えるおくすりや解熱剤を処方します。

〇気をつけていただきたいこと
・このウイルスは咳やくしゃみによる飛沫感染や、手やものを介した接触感染により拡がります。このためうがいや手洗いが大切です。ご家族の間でも感染することがありますので、食器やタオルの共用などは避けるようにしましょう。
・このウイルスは、アルコールに対し抵抗性があるため特に注意が必要です。次亜塩素酸ナトリウム(ハイターやミルトンなど)が有効といわれています。
・のどの痛みが強くなることが多いため、食べ物は刺激が少なくのど越しのよいプリン、ゼリーなどがおすすめです。また水分補給もしっかりしましょう。

〇登園・登校について
プール熱(咽頭結膜熱)は学校保健安全法で、主な症状が消退したのち2日経過するまでは出席停止とされています(ただし、病状により担当医が感染のおそれがないと認めた場合にはこの限りではありません)。

〇こんなときは受診してください
・高熱が続き元気がなく、ぐったりしている
・のどの痛みが強く、水分が十分にとれない   などの症状がある場合には早めに受診してください。