小児科
中耳炎
風邪のあとや鼻水・咽頭炎をきっかけに、耳管を通じて中耳にウイルスや細菌が侵入し、炎症や膿が溜まる疾患です。3歳までに50〜70%の子どもが一度は発症します。
1.中耳炎の種類
- 急性中耳炎:発熱・耳痛・耳漏(耳だれ)を伴う典型型。
- 滲出性中耳炎:痛みは少なく「聞こえにくい」「耳がこもる」感覚が特徴。経過観察が中心。
- 反復性・慢性・真珠腫性中耳炎:急性→滲出性→これらの経過をたどる場合あり。
2.家族が気づくサイン
- 夜間泣く、耳を触る、機嫌が悪い、食欲不振、耳だれ、テレビに近づくなどが目安。
3.診断ポイント
- 鼓膜の所見(赤み、膿の存在、鼓膜の凹凸)で判断されます。
4.治療法
- 急性軽症:鎮痛薬中心に経過観察。3〜4日経って改善なければ抗菌薬。
- 発熱・耳痛強い場合/膿が多い場合:アセトアミノフェン投与、抗菌薬使用、膿が多い時は鼓膜切開や排膿が行われます。通常処置は耳鼻科で行われます。
- 滲出性・反復性:鼓膜チューブ留置やネブライザー、耳管通気処置、内服など。
5.ケアと予防
- 鼻水のしっかりケア、風邪の予防、鼻吸引
- 家庭での耳の痛みが強い時は入浴・プールは控え、医師に確認。
- 肺炎球菌・インフルエンザ菌などのワクチン接種により予防効果があります。
6.受診の目安
- 熱・耳痛・耳だれが続く
- 耳痛や機嫌不良
- 聴力低下が疑われる場合、特に滲出性では検査が必要です。