小児科
尿路感染症
1.尿路感染症とは?
尿路感染症(UTI)は、小児期に頻繁に見られる細菌感染で、膀胱から尿道、腎臓まで尿の通り道に細菌が侵入することで発症します。乳幼児では発熱や不機嫌のみの症状も多く、疎かにできない病気です。
2.種類と原因
- 下部尿路感染症(膀胱炎・尿道炎):頻尿、排尿時の痛み、尿のにおい・色の変化が特徴。
- 上部尿路感染症(腎盂腎炎など):38℃以上の高熱、背部・腰部痛、嘔吐や腹痛を伴うことも多い。
※男女差とリスク:女児が小児UTIを起こしやすく、包茎の未処置の男児もリスクが高いです。
3.主な症状
- 乳幼児:原因不明の高熱、機嫌不良、授乳不振など非特異的な症状が多く見られます。
- 2〜3歳以上:排尿痛、頻尿、悪臭尿、血尿などが現れることがあります。
4.診断プロセス
- 検尿検査と尿培養:尿の一般検査と尿中の病原菌検査。
- 画像検査:クリニックでは超音波検査を行うことがあります。状態、検査結果などにより必要と思われる際には病院紹介します。病院では造影検査やMRI検査などが行われることもあります。
5.治療と経過
- 抗菌薬治療:軽症例では短期(5日間)。状態や経過によっては、経口や注射で7~14日間投与されることもあります。
- 重症例や乳児:点滴による抗菌薬を用いることも多いです。
6.家庭でできる対策・予防
- こまめなおむつ交換と陰部清潔
- トイレトレーニング中は排尿を我慢させない
- 女児は後ろから前への拭きを避けるなどトイレ習慣の指導
- 水分摂取により排尿を促す。
- 持続する発熱や排尿時痛などあれば受診
7.家庭でできる対策・予防 受診をおすすめするケース
- 原因不明の高熱が続く(38℃以上)
- 排尿時の様子がいつもと違う/機嫌悪化
- 尿に悪臭や濁り、血尿がある
- 過去に尿路感染症などの既往歴がある
これらに該当する場合は、速やかに小児科受診をお願いします。
✅ まとめ
- 子どもの尿路感染症は、症状があいまいでも見逃してはいけない疾患です。
- 尿検査と尿培養検査、抗菌薬治療が重要です。
- 再発予防・合併症対策として、画像検査や生活指導も必要になります。