小児科
突発性発疹症
6か月〜2歳の乳幼児に多く見られる「突然の高熱から発疹へ」という典型的な経過をたどるウイルス感染症です。ヒトヘルペスウイルス6型/7型(HHV‑6/7)が原因で、ほとんどの子どもが一度はかかります。
1.症状・経過
- 潜伏期間は約9〜14日
- 高熱(38〜40℃)が3〜5日続きますが、比較的機嫌が良いことも多いです。
- 解熱後に小さな赤い発疹が体幹→四肢へ2〜4日間にわたり出現し、自然に軽快します。発疹が出ることには機嫌が悪くなることも多いです。またこのころに便がやや柔らかくなることもあります。
- 鼻水や下痢、リンパ節腫脹、大泉門の緊張などを伴うこともあります。
2.診断と鑑別
臨床経過(高熱+解熱後発疹パターン)で判断されます。通常検査を行うことはありません。
類似する麻疹・風疹は、発疹の出現タイミングや熱の経過でほとんどの場合鑑別が可能です。
3.合併症・受診の目安
- 熱性けいれんは比較的みられます。
- かなりまれですが、脳炎・脳症・劇症肝炎など重症化することもあります。
- 受診目安:
- 高熱+ぐったり
- けいれん持続または頻発
- 脱水症状(飲めない・尿が少ない)
4.ケアと家庭でできる対応
- 解熱剤(アセトアミノフェンなど)使用:つらさを緩和し、前回の服用から6〜8時間以上あけてください。
- 十分な水分補給:脱水防止に麦茶・スポーツドリンクなど。
- 安静・室温調整・機嫌ケア:発熱中はゆったりとした環境へ
- 爪を短くして発疹に触れさせない工夫(かゆみ対策)
5.登園・登校の目安
- 発疹が出ていても、解熱後かつ全身状態が良く、機嫌が安定していれば登園可能です。
6.Q&A
Q1. 熱がさがってから発疹が出ることはありますか?
A. はい。 高熱が3〜5日続いた後、熱が引くと同時にピンク色の発疹が体幹から現れるのが典型的です。時に熱が出ている内に発疹がみられたり、解熱して半日〜1日経過してから発疹がみられることもあります。
Q2. 2回かかることはありますか?
HHV‑6と7のウイルス2種類で起こるため、再度発症することもあります。
Q3. 発疹があっても保育園に行っていい?
解熱から24時間以上&全身状態が良ければ登園できます。