ヒブ(Hib)感染症はインフルエンザ菌b型(Haemophilus influenzae type b)という細菌による感染症で、こどもの細菌性髄膜炎で最も多い原因となっています。インフルエンザ菌は細菌であって、インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスと混同されることもありますが、全く別のものです。この細菌は感染力が高く咳やくしゃみ、触れた手などを通じて他の人にうつる可能性があります。そのほとんどが5歳未満で発生し、感染が進行すると肺炎や細菌性髄膜炎、急性喉頭蓋炎や化膿性の関節炎など深刻な合併症を引き起こすことがあります。
ヒブワクチンの接種は、通常、生後2か月から開始され、3回の初回接種と1回の追加接種の計4回接種が標準的です(2024年4月から、順次五種混合ワクチンに移行)。
初回免疫は、通常3回、いずれも27日以上の間隔をあけ、追加免疫は初回免疫後7か月以上の間隔をおいて、通常1歳になったらすぐに1回接種します。
一般的なスケジュール
・1回目:生後2か月(2024年4月から、順次五種混合ワクチンに移行)
・2回目:生後3か月(2024年4月から、順次五種混合ワクチンに移行)
・3回目:生後4か月(2024年4月から、順次五種混合ワクチンに移行)
・4回目:1歳
すべて公費で接種が可能です。
ワクチンを接種することにより、重篤なヒブ感染症にかかるリスクをほぼ100%紆余防できると報告されています。
ヒブワクチンの副反応としては、接種した場所の赤みや腫れ、痛み、しこりなどがみられますが、ほとんどの場合は24時間以内におさまります。
2024年4月から四種混合ワクチンとヒブワクチンの成分が一緒になった五種混合ワクチンが開始されています(⇒こちら)。ヒブワクチンは継続して使用できますが、徐々に五種混合ワクチンに移行していくことになります。