予防接種について

四種混合ワクチン

■四種混合(DPT-IPV)ワクチンとは

 四種混合ワクチンは、ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)、ポリオ(IPV)の四種類の病気に対して予防が期待できるワクチンです。

2023年4月より以前は生後3か月から接種されていましたが、2023年4月以降、生後2か月から接種できるようになりました。

この度、四種混合ワクチンにヒブ(Hib)の成分が追加されて五種混合ワクチンが新たに開発され、2024年4月以降、順次五種混合ワクチンに切り替わっています。

 ・ジフテリア

ジフテリアはジフテリア菌による感染症であり、発症すると高熱やのどの痛み、犬が吠えるような咳などの症状があります。また、重症化した場合はのどの炎症による腫れから窒息死することもあります。そのほかにも心筋炎や神経麻痺の可能性もあります。日本では1999年以降に国内での感染報告はありません。

・百日咳

百日咳は百日咳菌による感染症であり、発症すると普通の風邪のような症状で始まりますが、だんだんと咳がひどくなります。乳幼児が感染すると咳で呼吸が困難になったり、チアノーゼやけいれんがみられることがあります。生後1か月までの新生児もかかる可能性があり、場合によっては重篤な後遺症が残る可能性があります。小学校入学前に抗体が落ちやすく、任意接種になりますが三種混合ワクチンの接種が可能です。特に生まれたばかりの新生児がいるご家庭であれば接種をおすすめします。

・破傷風

破傷風は破傷風菌による感染症であり、土の中に存在する菌になります。人から人へうつる病気ではありませんが、手や足に小さな傷などがあると感染の原因になります。神経の麻痺や筋肉のけいれん、呼吸困難などを引き起こし、最悪の場合命にかかわります。ワクチンでしか免疫を獲得できない病気です。

 ・ポリオ

ポリオはポリオウイルスによる感染症であり、感染してもほとんどの場合は発病しないか発病したとしても風邪症状程度ですが、まれに後遺症として手足に麻痺を起こし障害残る場合もあります。かつて日本でもワクチンが導入されるまでは毎年何千人もの感染者がおり、現在は国内で流行はしていませんが海外の一部の国では野生株のポリオが流行しています。そのため、日本に野生株のポリオウイルスが侵入する可能性もあります。

この細菌は感染力が高く咳やくしゃみ、触れた手などを通じて他の人に感染する可能性があります。そのほとんどが5歳未満で発生し、感染が進行すると肺炎や細菌性髄膜炎、急性喉頭蓋炎や化膿性の関節炎など深刻な合併症を引き起こすことがあります。

■四種混合(DPT-IPV)ワクチンの接種時期

四種混合ワクチンの接種は、通常、生後2か月から開始され、3回の初回接種と1回の追加接種が標準的です。初回接種は生後2月に達した時から生後12月に達するまでの期間に、3週間から8週間までの間隔をおいて3回接種します。追加接種は初回接種終了後12月から18月までの間隔をおいて1回とされていますが、初回接種終了後6月以上間隔を空けて接種することも可能です。
2024年4月からは生後2か月からの接種は五種混合ワクチンになっています。

一般的なスケジュール

1回目:生後2か月(2024年4月から、順次五種混合ワクチンに移行)
2回目:生後3か月(2024年4月から、順次五種混合ワクチンに移行)
3回目:生後4か月(2024年4月から、順次五種混合ワクチンに移行)
4回目:16か月 

■接種にかかる費用

公費で接種が可能です。

■四種混合ワクチンの効果

ワクチンを接種することにより、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオの抗体を獲得できます。しかし、ジフテリア、百日咳、破傷風については抗体が弱まるため小学校入学前の三種混合ワクチンの接種や小学56年生で接種する二種混合を忘れないようにしましょう。

■四種混合ワクチンの副反応

注射部位が腫れたり、赤くなったり、しこりができることがありますが、通常23日で治ります。まれに、腕全体が腫れることがあります。

 


診療時間 電話 Web予約 アクセス