子どもの予防接種 Q &A

卵アレルギーのあるお子さんにインフルエンザワクチンは接種できますか?

インフルエンザワクチンと卵アレルギーに関して、卵を含む食品を食べても問題がないお子様は、ワクチン接種が可能です。まだ卵を食べた経験がないお子様には、少量試してみることをおすすめします。必要に応じて、血液検査も選択肢にあります。インフルエンザの罹患リスクと、卵アレルギー以外の副反応も含めてのバランスを考慮し、接種について判断します。

インフルエンザワクチンは一般的に鶏卵を使って製造されるため、微量ながら卵成分が含まれています。ただし、卵アレルギーを持つお子さんがインフルエンザワクチンを接種できないというわけではありません。

日本で承認されているインフルエンザワクチンに含まれる卵たんぱく質は、非常に微量で、1mLあたり数ナノグラム(1ナノグラムは10億分の1グラム)程度です。これを食品と比較すると、通常の食品表示で卵成分に注意が必要なレベル(1g中に数マイクログラム)よりも、実際にはかなり少ない量となります。簡単に言えば、ワクチン中の卵成分は食品表示で注意が必要なレベルの約1000分の1程度です。

さらに、アナフィラキシー(重度のアレルギー反応)が起こる可能性があるとしても、50〜100万回に1回程度です(この中でも一般的には卵成分よりも保存料やその他の成分が原因とされています)。

実際に大多数の卵アレルギーがあるお子さんでも、インフルエンザワクチンの接種は可能です。接種の可否については以下を参照して下さい。 


少量の卵を摂取できる場合お子さんが1〜2g程度の卵を食べても問題なければ、基本的には接種は可能です。
特に、離乳食を始めたばかりの赤ちゃんには、少量の卵を試しに与えてみていただいておくと安心できます

卵アレルギーのリスクが高い場合以下のいずれかに当てはまるお子さんは、医師に相談してください(接種前に余裕を持ってご相談ください)
・以前に卵を食べて強いアレルギー反応が出た経験がある
・アレルギーの血液検査で、卵に対する値が高い(06段階で56)。
(※ただし、検査値が高値でも卵を食べて問題ない場合は接種可能です)
・卵を少量与えただけで何らかのアレルギー反応が出た


お子様の健康と安全が最優先です。何か不明点や疑問がある場合は、接種前に余裕を持ってご相談ください。

お子さんの健康は何よりも大切ですので、接種前にしっかりと準備をして、安心してワクチンを受けていただきたいと思います。