B型肝炎は、B型肝炎ウイルスによって引き起こされる感染症です。このウイルスは、感染者の血液や体液を通して広がり、感染すると肝臓に影響を及ぼします。3歳未満の乳幼児期に感染した場合、持続感染になる危険性が高くなります。感染しても症状が現れないことが多く、気づかないうちに慢性化することがあります。慢性化した場合、通常は成人になって以降に肝硬変や肝臓がんなどに進展することがあります(稀ながらこどもにも肝硬変や肝臓がんはみられます)。一方、急性感染の場合には、発熱、食欲不振、関節痛などが現れることがあります。
感染経路には、母子感染、血液輸血、性行為、共有の注射器の使用などが含まれます。ただし母子感染については、積極的に公費で予防されるようになったため、現在は激減しています。
B型肝炎ワクチンは、1歳になる前に3回接種します。標準的なスケジュールでは、生後2ヶ月から4週間隔で、2回、さらに1回目の接種から20週以上経ってから1回の計3回接種します。出生日から2か月後、3か月後、7カ月後での接種をおすすめします。
ただし、母親が妊娠中にB型肝炎キャリア(B型肝炎ウイルスを大量に保有している状態)であることがわかった場合は、母子感染予防として、健康保険で接種できます。その際は、出産したかかりつけの医療機関で接種スケジュールの指示があります。
一般的なスケジュール
1回目:生後2か月
2回目:生後3か月
3回目:生後7〜8か月
すべて公費で接種が可能ですが、1歳を過ぎると公費で接種できなくなります。
ワクチンを接種することにより、抗体獲得率は95%といわれています。B型肝炎は急性感染も怖いですが、症状がないままの持続感染も怖いため、必ず3回接種するようにしましょう。特に3回目の接種のタイミングは接種を忘れてしまう方もあるため、しっかりとスケジュールを確認して接種時期になれば予約を取るようにしましょう。
B型肝炎ワクチンの副反応としては、接種した場所の赤みや腫れ、痛み、しこりなどがみられますが、ほとんどの場合は1~2日以内におさまります。