MRワクチンは、麻しん(はしか)や風しん(三日はしか)を予防するワクチンです。
M:Measls(はしか)、R:Rubella(風しん)
・麻疹(はしか)
麻しんは麻しんウイルスによる感染症で、感染すると熱、鼻水、せき、目やになどの風邪症状が3~4日都筑、その後全身に発疹が出て高熱が7~10日程度続きます。肺炎や脳炎等を合併しやすく重症化することで命にかかわる可能性もあります。
日本では、2015年3月に麻疹が国内から排除されたと認定されました。排除認定後、国内の患者数は少なくなっていて、新型コロナウイルス流行中は激減していました。今後国際交流が盛んになることにより、麻疹流行国からの持ち込みが増える可能性があります。
・風しん(三日はしか)
風しんは風しんウイルスによる感染症で、約2~3週間の潜伏期間の後に発熱し、首のリンパ節が腫れ、体に赤い発疹が出てきます。発熱自体は3~4日程度のため、三日はしかと呼ばれることもあります。 数千人に1人程度脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症を発症します。
※先天性風しん症候群とその予防について
妊娠初期に風しんに感染すると、生まれてくる子どもに難聴や白内障、心臓病などの先天性疾患をもつ場合がありますので(先天性風疹症候群)、女性は妊娠前にワクチン接種を受けておくことが重要です。妊娠中に生ワクチンであるMRワクチンを接種することはできないため、妊娠がわかれば風疹の抗体検査を行い、もし抗体が少なければ風しんに感染しないよう注意が必要です。また出産後には忘れないうちに、風疹のワクチンを接種しましょう。
MRワクチンの接種は、通常、生後12~24カ月未満の間と、5歳~7歳未満(小学校入学前)の間で、2回の接種が標準的です。出生日から1年後と6歳(年長)での接種をおすすめします。
一般的なスケジュール
1回目:1歳
2回目:5~6歳(年長)
すべて公費で接種が可能です。
なお、2回目の接種については小学校に入学してから接種すると自己負担金が発生するため、注意してください。
MRワクチンを接種することにより、1回接種で約95%、2回接種で約99%の免疫獲得率があるとされています。
MRワクチンの副反応としては、接種した場所の赤みや腫れ、痛み、しこりなどがみられますが、ほとんどの場合は1~2日以内におさまります。また接種後5〜10日経ってから発熱したり(約20%)、麻しんや風しんにかかったような発疹がでることがあります(数%)。もし気になる症状があれば受診してください。