予防接種について

ロタウイルスワクチン

■ロタウイルスとは

ロタウイルス感染症は、乳幼児に多くみられるウイルス性胃腸炎の一つです。嘔吐と白っぽい色の下痢を繰り返し、発熱を伴うことが多く、脱水症状が引き起こされる病気です。通常は3〜5日程度で軽快しますが、脱水の程度によって、経口補液や点滴が必要になることもあります。また、重症化すると脳症などの合併症が引き起こされることもあります。感染力が非常に強く、保育園や幼稚園などで早いスピードで感染が広がる病気で、手洗いうがいなどの感染対策も重要ですが、完全に感染を抑えることは難しいとされています。

 

■ロタウイルスワクチンの接種時期

ロタウイルスワクチンは経口で接種をするワクチンです。ワクチンには甘い味がついているため、赤ちゃんでも飲みやすいように作られています。

ロタウイルスワクチンの種類(ロタウイルスワクチンは2種類あり、どちらか1種類を接種します)

 [ロタリックス(1価ワクチン 2回接種)] 生後6週から開始し4週間以上の間隔をおいて24週までに2回接種します。

[ロタテック(5価ワクチン 3回接種)] 生後6週から開始し4週間以上の間隔をおいて32週までに3回接種します。

 
一般的なスケジュール

・1回目:生後2か月(ロタリックス、ロタテック)
・2回目:生後3か月(ロタリックス、ロタテック)
・3回目:生後4か月(ロタテックのみ)

<注意点>

・ 途中でワクチンの種類を変更できません。

・ロタウイルスワクチンは生ワクチンのため、接種後に4週以上間隔をあける必要があります。さらに初回接種は14週6日までに受けることとされています(14週6日を過ぎると副作用としての腸重積の頻度が増加するとされています)

・生後2か月で接種するヒブや肺炎球菌、四種混合、五種混合、B型肝炎ワクチンとの同時接種をおすすめします。

■接種にかかる費用

すべて公費で接種が可能です。

■ロタウイルスワクチンの効果

ワクチンを接種することにより、すべてのロタウイルス感染症を約80%予防し、ロタウイルス感染症の重症化を約90%程度予防できます。また、この予防効果は23年続くと言われています。

■ロタウイルスワクチンの副反応

副反応が出ることはほとんどありませんが、まれに腸重積症になる可能性があります。腸重積症とは、腸が折り重なることで腸閉塞を引き起こす病気です。接種後12週間は腸重積症のリスクが高まる可能性があるとされています。

以下のような症状が一つでも現れたら、腸重積症が疑われます。このような症状に気づいたら、すみやかに接種した医療機関を受診してください。
■泣いたり不機嫌になったりを繰り返す
■嘔吐を繰り返す
■ぐったりして顔色が悪くなる
■血便がでる

また、接種後1~2週間程度は赤ちゃんの便にロタウイルスが含まれているため、保護者の方がロタウイルスに感染する恐れがあります。おむつを換えた後にはいつも以上に丁寧に手を洗うようにしましょう。