予防接種について

子宮頸がん(HPV)ワクチン

ヒトパピローマウイルス(HPV)の概説、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種時期・有効性・副反応など

 

■子宮頸がん(HPV)ワクチンとは

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となる病気で、子宮の入り口部分に感染することで発症する病気です。主に2040歳代の女性に多く発症するがんの一種で、出産時期や子どもを残して亡くなるケースが多いことからマザーキラーともいわれています。日本では毎年約1万人が新たに子宮頸がんと診断され、そのうちの約3割が子宮頸がんで亡くなっています。がんの進行によっては子宮の摘出が必要になり、早期治療ができても流産や早産のリスクが高まります。また、男子がHPVワクチンを接種することでHPVウイルスにより発症する中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマなどの予防に効果が期待できます。日本では女子のみ公費での接種が認められていますが、海外の一部の国では女子同様に男子も定期接種の対象としています。

【 ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因の主な病気】

1)がん・前がん病変(主に「高リスク型HPV」が関係)
  • 子宮頸がん/子宮頸部の前がん病変
    ほとんどの子宮頸がんはHPVの持続感染が原因とされています。

  • 外陰がん(女性)/外陰部の前がん病変

  • 腟がん(女性)/腟の前がん病変

  • 肛門がん(男女)/肛門の前がん病変

  • 中咽頭がん(男女:のどの奥・扁桃周囲など)

  • 陰茎がん(男性)

※HPV関連のがんは、女性だけでなく男性にも起こり得ます

2)良性疾患(主に「低リスク型HPV」が関係)
  • 尖圭コンジローマ(男女)
    性器や肛門周囲にいぼができる病気で、HPV関連疾患の中でも頻度が高いとされています
    直径1~3ミリ前後の良性のイボが性器や肛門のまわりにできる病気です。痛みやかゆみはほとんどなく、様々なかたちのイボができ、再発しやすく完治は難しいといわれています。妊娠している女性が尖圭コンジローマを発症している場合、出産時に産道で赤ちゃんがHPVに感染してしまう可能性があります。その場合、ごくまれですがのどにイボができる再発性呼吸器乳頭症を発症してしまうことがあります。この場合、声がれやイボが大きくなることで呼吸困難になり、命にかかわることもあります。イボを取り除くため、数回にわたり手術を行う場合があります。

 

【男性とHPVワクチン(男性への接種)

HPVは女性だけの問題ではなく、男性も感染します。感染しても症状がないことが多い一方で、パートナーへうつることがあります。
HPVが関係する主な病気(男性を含む):尖圭コンジローマ、肛門がん、中咽頭がん、陰茎がん など
9価HPVワクチン(シルガード9)は、男性でも接種でき、肛門がん(前駆病変を含む)や男性の尖圭コンジローマの予防が承認されています。
接種は**性行為開始前(9〜14歳)**が最も効果的です。接種回数は年齢により2回または3回です(当院へご相談ください)。

■子宮頸がん(HPV)ワクチンの接種時期

子宮頸がんワクチンの接種は、小学校6年生から高校1年生相当の女性が23回接種することが標準的です。
初回接種が15歳以上になると3回接種する必要になることと、中学校に入学すると勉強や部活で忙しくなるため、小学校6年生のうちに2回接種を終えておくことをおすすめしています。

【子宮頚がんワクチンの種類】

子宮頸がんワクチンには、2価、4価、9価の3種類があります。このうち、9価ワクチンは対応する子宮頸がんウイルスの種類が最も多いことが特徴です。

当クリニックでは原則として9価ワクチン(シルガード9)の接種を行っています。

HPV16型と18型に加え、ほかの5種類(HPV31、HPV33、HPV45、HPV52、HPV58)の感染予防効果もあるため、子宮頸がんの原因の80〜90%の予防が可能とされています。

【接種方法】
1回目接種が15歳未満の方

HPVワクチンの接種スケジュール図(15歳未満の場合)。1回目の接種から6か月以上の間隔で2回接種することを示した図

標準的な接種間隔:6か月以上の間隔で2回接種※1
5ヶ月未満である場合、3回目の接種が必要になります。
初回接種が15歳未満の方に対しては2回接種とともに3回接種も可能ですが、海外では2回接種が標準であり、免疫獲得については2回接種と3回接種で差がないことがわかっていることから、当クリニックでは、厚生労働省が標準としている2回接種を推奨しております(ご希望によっては3回接種も可能ですのでご相談ください)。

1回目接種が15歳以上の方

HPVワクチンの接種スケジュール図(15歳以上の場合)。1回目接種から2か月後に2回目、6か月後に3回目を接種することを示した図。

標準的な接種間隔
2回目:1回目の接種から2か月あけて行います。
3回目:1回目の接種から6か月あけて行います。
標準的な間隔で接種ができない場合:2回目は1回目の接種から1か月以上(※2)、3回目は2回目の接種から3か月以上(※3)あけて行います。

【接種時の注意事項】

☆ワクチンについて必ず市町村のハガキに掲載されている資料または、厚労省の資料をお読みください。
☆ワクチン接種後、体調不良となる場合もありますので必ず保護者の方の付き添いをお願いしています。
☆当日、翌日も痛みが残る場合がありますので予定に無理がないようにご予約ください。

 ■接種にかかる費用

女性は公費で接種が可能です。
男性への接種は2026年1月の時点では公費接種の対象となっておりません。接種費用についてはあらかじめ医療機関へお問い合わせ下さい。

■副反応

子宮頸がんワクチンの副反応としては、接種した場所の赤みや腫れ、痛み、しこりなどがみられますが、ほとんどの場合は12日以内におさまります。


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