赤ちゃんの頭の大きさや形について

赤ちゃんの頭は、大人と比べてやわらかく、形にも個性があります。初めてのお子さんだと、「頭の形」「てっぺんがペコペコしている」など、心配になることもあるかもしれません。

赤ちゃんの頭の発育は、小児科の健診でもしっかり確認していますが、ご家庭で気になることがあった時のために、正常な状態と少し注意が必要なサインについて記載しています。


頭の大きさ:大きい・小さい

✅ 正常な状態

赤ちゃんの頭は通常4頭身で、大人の6頭身と比べると、頭の大きさは体に比べて大きく見えます。成長に伴って体とのバランスがとれてきますので、あまり心配しなくても大丈夫です。

健診では「頭囲(とうい)」を定期的に測って、成長曲線に沿っているかを確認しています。多くの赤ちゃんは、この曲線に沿って順調に育っています。

⚠️ 少し注意が必要な状態

以下のような場合には、念のため小児科でご相談ください。

  • 頭の大きさが急に大きくなった

  • 成長曲線から上方に大きく外れている

  • 頭が平均よりも明らかに小さい(小頭症)

これらは、脳の発育や頭の骨の閉じ方に関係することがあります。


頭の形:左右非対称など

✅ 正常な状態

赤ちゃんの頭の形は、出産時の圧迫や寝る姿勢の癖などで、少し左右非対称になったり、後ろが平らになったりすることがあります。

多くは、成長とともに気にならなくなりますので、通常は心配いりません。

⚠️ 少し注意が必要な状態

  • 頭が細長くてとがっている(舟状頭蓋)

  • 前後が短くて丸っこい(短頭蓋)

こうした特徴的な形は、「頭蓋縫合(ずがいほうごう)」と呼ばれる頭の骨のつなぎ目が早く閉じてしまう「頭蓋縫合早期癒合症」で見られることがあります。医師の診察で適切に判断いたします。


大泉門、小泉門

赤ちゃんの頭をさわると、やわらかくてへこむ部分があります。これを「泉門(せんもん)」と呼びます。泉門は頭の骨と骨の隙間で、脳が大きくなるためのスペースを確保しています。

✅ 正常な状態

  • 大泉門(だいせんもん):頭のてっぺんにあります。生後1歳〜1歳半ごろまでに自然に閉じます。

  • 小泉門(しょうせんもん):後頭部にあり、生後すぐに閉じることも多く、触れない場合もあります。

⚠️ 少し注意が必要な状態

  • 大泉門がふくらんでいる(頭の中の圧力上昇が疑われる)

  • 大泉門がへこんでいる(脱水のサイン)

  • 閉じるのが早すぎる、または大きく開きすぎている

泉門の状態に違和感を感じたら、健診や受診時に遠慮なくおたずねください。


頭蓋縫合(ずがいほうごう):成長とともにゆっくり閉じていく骨の継ぎ目

赤ちゃんの頭の骨は、一つに固まっているわけではなく、いくつかの骨が「縫合(ほうごう)」というつなぎ目で柔らかく結びついています。これによって、脳の発達に合わせて頭が大きくなれる構造になっているのです。

✅ 正常な状態

  • 縫合が開いていることで頭がやわらかく、成長に応じて自然に閉じていきます。

⚠️ 少し注意が必要な状態

  • 縫合の一部が早く閉じてしまうと、頭の形が変形することがあります(頭蓋縫合早期癒合症)。
    このような場合は、画像検査などを行い、必要に応じて専門的な治療が行われます。


当クリニックでは

赤ちゃんの頭の発育には個人差があり、ほとんどの場合は自然な変化の範囲です。ただし、保護者の方が「いつもと違うかも」と感じたら当クリニックで確認しますので、遠慮なくご相談ください。


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