気管支喘息とアレルギー性鼻炎は、子どもにとってよく見られる疾患です。この2つは深い関係があり、同時に現れることも少なくありません。お子さんの健康を守るために、その関連性と対応方法を知っておくことが大切です。
気管支喘息は気道の慢性的な炎症によって起こり、咳やゼーゼーという呼吸音、息苦しさが特徴です。一方、アレルギー性鼻炎はくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こします。気管支喘息は、気道が炎症を起こし、狭くなることで呼吸が苦しくなる病気です。一方、アレルギー性鼻炎は、花粉やダニなどのアレルゲンに対する免疫反応が過剰に働き、くしゃみや鼻水、鼻づまりを引き起こします。これら二つの疾患は、共通のアレルギー体質を背景に持つことが多く、「One airway, one disease(一つの気道、一つの病気)」という考え方が提唱されています。つまり、鼻と肺は一続きの気道であり、鼻の炎症が気管支に影響を及ぼすことがあります。
小児喘息の子どものうち、約7割がアレルギー性鼻炎を合併しているというデータがあります。また、アレルギー性鼻炎のある子の約3割が将来的に喘息を発症するとも言われています。
特に春や秋の花粉シーズンには、鼻炎とともに喘息の症状も悪化しやすいため注意が必要です。
喘息のあるお子さんでは、鼻の症状を適切に治療することで喘息の悪化を防げることがわかっています。以下のような対応が有効です:
症状に応じて舌下免疫療法などの根本的治療も選択肢となりますが、開始するにあたり喘息のコントロール状態が安定していることが必要となります。
咳やゼーゼーが見られる場合、「喘息だけ」「鼻だけ」と決めつけず、両方の視点での診察が重要です。当院では気管支喘息とともに、アレルギー性鼻炎の管理も含めて診療を行っています。
症状が軽くてもお気軽にご相談ください。早めの対応により生活の質が大きく改善されます。