本格的な夏を迎え、鳥取県西部・米子市周辺でも連日30℃を超える暑さが続いています。
蒸し暑い日が多くなり、保護者の皆さんにとっては、お子さんの「熱中症」が特に心配な季節だと思います。
子どもは大人よりも熱中症にかかりやすく注意が必要です。
その理由の一つとして、体温調節の機能がまだ未熟で、暑さにうまく対応できないことが挙げられます。
特に0〜6歳くらいの乳幼児や未就学児は、自分で体調の変化に気づいたり、適切な対処をしたりすることが難しいため、周囲の大人の気づきがとても重要です。
「風邪」と思っていたら熱中症だった、ということも珍しくありません。
次のような症状があれば、熱中症も考えましょう。
顔が赤く、汗をかいていない
呼びかけに反応が鈍い、ぐったりしている
食欲がない、嘔吐した
頭痛やめまい、けいれんを起こした
軽い症状でも油断しないように気をつけましょう。
様子がおかしいと感じたら、まずは涼しい場所に移動させ、水分補給を行いましょう。
熱中症は、屋外での運動中や炎天下だけで起こるものと思われがちですが、実際には日常の何気ない場面でも発症することがあります。
特に湿度の高い鳥取県西部・米子市では、以下のような環境でも注意が必要です。
気温がそれほど高くなくても、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体に熱がこもってしまいます。
本来、汗が蒸発する際には「気化熱」によって体温が下がりますが、湿度が高いとこの効果が働かず、体温の調整がうまくいかなくなるのです。
その結果、倦怠感・頭痛・めまいなど、熱中症の症状が現れることがあります。
特に梅雨時や雨の後の蒸し暑い日は、屋内であっても油断せず、室温と湿度をしっかり管理しましょう。
「夜は涼しいから大丈夫」と思いがちですが、就寝中の室温や湿度が高いと、気づかないうちに脱水が進むことがあります。
子どもは大人よりも汗をかきやすく、寝ている間も多くの水分が失われるため、夜間でも熱中症になるリスクがあります。
エアコンのタイマーが切れる設定にしていると、室温が上昇しやすくなります。
熱帯夜が続く時期には、冷房や除湿機能を適切に使って、快適な睡眠環境を保つようにしましょう。
ベビーカーに座っているお子さんは、地面に近い位置にいるため、照り返しの熱を強く受けやすくなります。
アスファルトやコンクリートの上では、地面に近いほど気温が高く、体感温度が2〜3℃以上高くなることも。
さらに、ベビーカーに日よけカバーを付けた状態で長時間屋外にいると、内部の通気が悪くなり、小さな温室のように温度が上がってしまう危険性もあります。
移動時は、冷感マットや保冷剤を活用したり、日陰を選んだりするなど、こまめに涼をとる工夫が大切です。
夏場の車内は、エンジンを切って窓を閉めた状態だと、短時間で室温が50℃近くまで上昇します。
ほんの数分のつもりでも、車内はすぐに高温になり、お子さんの体温が急激に上昇してしまうことがあります。
「少しの間だから…」という判断は危険です。
必ずお子さんと一緒に車を降りるようにしましょう。
また、チャイルドシートで眠っている間も油断せず、こまめに様子を確認することが大切です。
チャイルドシートは、安全のために体をしっかりと固定する構造になっており、背中や腰、太ももに密着するため熱がこもりやすくなります。
さらに、座面が車内の低い位置にあることで、エアコンの風が届きにくく、空気の流れが滞留しやすい環境です。
そのため、チャイルドシートに座っているお子さんは、車内でも熱中症にかかるリスクが高まると言えます。
暑い季節のドライブでは、
冷感シートやタオルを敷く
日除けカーテンやサンシェードを使う
エアコンの風向きを工夫する
など、体に熱がこもらないような工夫を心がけましょう。
体重あたりの水分量が多いため、水分が失われやすい
汗をかく機能が未熟で体温調整が苦手
自分で「のどが渇いた」と訴えにくい
地面に近いため、照り返しの熱を受けやすい(ベビーカーは特に注意)
(⇒ 詳しくは、子どもの熱中症対策|正しい水分の与え方と飲み物の選び方のページへ)
子どもは大人よりも体温調節が未熟で、水分が失われやすい傾向があります。特に夏は熱中症や脱水症のリスクが高く、こまめな水分補給がとても大切です。
1日の水分の必要量は、年齢や体重によって異なります。目安としては、乳児(0〜11か月)は体重1kgあたり150ml、幼児(1〜6歳)は100ml、小学生は80ml程度が必要です。これは食事中の水分も含めたトータルの量ですが、暑い日は汗でさらに水分が失われるため、いつもより多めの補給が必要です。
水分は「喉が渇いた」と感じる前に取ることが重要です。子どもは遊びに夢中になっていると水分不足に気づきにくいため、30分おきに「水分とった?」と声をかけるのが理想です。炎天下や運動中は、15分おきに休憩と水分補給を心がけましょう。
水分補給の際は、一度にたくさん飲ませるのではなく、少量ずつこまめに与えることが吸収の面でも効果的です。
日常的な水分補給には、水・麦茶・薄めた子ども用イオン飲料などが適しています。これらは飲みやすく、体にもやさしい飲み物です。大量に汗をかいたときには、水分とあわせて塩分(電解質)の補給も必要です。そのようなときは、**スポーツドリンクや経口補水液(ORS)**を活用しましょう。
ただし、スポーツドリンクやイオン飲料には糖分も多く含まれているため、日常的に飲ませすぎないよう注意が必要です。脱水症状が疑われる場合には、塩分と糖分のバランスに優れた経口補水液が特に効果的です。
暑い季節、元気に過ごすためにも、こまめな水分補給を習慣化しましょう。
涼しい場所へ移動
体を冷やす(首・わき・足の付け根などに保冷剤)
水分・塩分を補給(飲める場合のみ。無理に飲ませない)
意識がもうろうとしている、けいれんがある場合は119番通報を!
朝晩の涼しい時間に外遊びを
室温・湿度をチェック(室温28℃以下、湿度60%以下を目安)
気温だけでなく湿度にも注意し、エアコンや除湿器、扇風機を活用して過ごしやすい環境を維持しましょう。特に蒸し暑い夜間はエアコンで寝室の温湿度を調整しましょう。
薄手で通気性のよい服を着せる
ベビーカー内の温度にも注意!冷感マットや保冷アイテムを活用
エアコンや扇風機を使って、夜間の寝苦しさを防ぐ
熱中症は予防が可能な病気です。
米子市周辺でも猛暑が予想されるこの夏、ご家庭でもぜひ対策を話し合っておきましょう。
お子さんの体調に不安を感じたら、無理をせず早めにご相談ください。