2024年に入ってからの麻しん(はしか)の流行について

2024年に入ってから、麻しん(はしか)の発生数が増えています。1月1日以降、東京都、大阪府、奈良県などを中心に複数の例が報告されています。これは、世界的な流行の一環で、世界保健機関(WHO)によれば、2023年の感染者数は32万人と前年の1.8倍に増加しており、特にヨーロッパ(ロシア・中央アジア含む)では60倍にも達しています。

日本における流行の経過と現在の発生

2015年(平成27年)3月27日には、日本が麻疹の排除状態にあることが世界保健機関西太平洋地域事務局により認定されました。しかし、今年の1月から3月までの間に、東京都、岐阜県、愛知県など複数の都道府県で麻疹の発生が確認されています。

週別および都道府県別の発生状況

  • 2024年1月1日〜3月27日
    • 週別の発生数 3月17日までに20人
       2月12日〜18日1人、2月19日〜25日1人、2月26日〜3月3日1人)、3月4日〜10日(8人)、3月11日〜17日(9人)
    • 都道府県別発生数
       東京都(5人)、岐阜県(1人)、愛知県(2人)、滋賀県(1人)、京都府(1人)、大阪府(7人)、兵庫県(1人)、奈良県(2人)

注意していただきたい点について

この状況を踏まえ、子どもの健康を守るために、以下のポイントに注意してください。

  1. 予防接種の確認:お子様の予防接種の記録を確認し、必要な場合は追加接種を検討してください。
  2. 旅行先のリスク把握:海外旅行を予定している場合は、訪問先の麻疹発生状況を事前に確認してください。
  3. 発熱や発疹に注意:麻疹は高熱や特有の発疹が特徴です。これらの症状があれば、他の人との接触を避けて、速やかに医療機関へ相談してください。

麻しん(はしか)については⇒こちら

スギ花粉の飛散量が増えています

スギの飛散量の増加と花粉飛散時期の外出時の注意点について

 

しばらく寒い日が続いたあとに暖かくなる時期には、スギ花粉の飛散量が増加します。

アレルギー性鼻炎については当クリニックHPでも記載しています(⇒こちら)。

実際花粉飛散量が増えたときの対策について記載します。

 

花粉飛散時の外出時の注意

1)花粉情報

インターネットやテレビ・ラジオなどで花粉飛散予測を確認しましょう。

2)花粉が多く飛びやすい環境(気候、時間帶)

・雨の日と雨上がり
 雨が上がると花粉の飛散量の増加に加え、地面の花粉も巻き上げられ、花粉飛散量は増えますので注意しましょう。

・朝と夕方
 一般に朝と夕方には多く飛散します(地形や建造物、地域により差があります。
 一般的に1日で最も気温が上昇する13~15時ころに飛散量増える傾向があります)。

3)花粉回避の服装や装備

・花粉が付着しやすいような表面が毛羽立った毛織物などのコートの使用を控え、表面がツルツルした上着を選びましょう。

・花粉は全身に付着しやすいため、帽子、メガネやマスク、マフラーやスカーフで付着を防ぎましょう。

4)帰宅時

家の中に花粉を持ち込まないように、帰宅時には玄関前で衣服や髪に付着した花粉を払い、すぐに着替えて洗顔、うがい、鼻かみをしましょう。

 

住居環境や生活の注意点

1)住居環境について

・ 飛散の多い時は窓、戸を閉めておきましょう

・ 換気のときの窓は小さくを上げて短時間に止めましょう

2) 生活の注意点

・ 飛散の多いときの布団や洗濯物の外干しは避けましょう

・掃除を十分に行いましょう。特に窓際を念入りに掃除しましょう。

 

花粉症における鼻や目の症状を軽減させるために

1)鼻のケア

・鼻の洗浄
鼻に入り込んだ花粉やホコリなどを洗い流しましょう。洗浄の際は刺激の少ない体液に近い組成の市販の生理食塩水などを利用してください。

・鼻の粘膜の保護
繰り返して鼻をかむと鼻が荒れますので、荒れてしまったら白色ワセリンなどを塗ってください。保湿ティッシュペーパーで鼻をかむことも有用です。

・室内の加湿
室内を加湿して水分を補いましょう。またマスクも有用です。

・マスク
マスクは、吸い込む花粉量を減らします。ただしマスクをしていても完全防備にはならないので過信は禁物です。

2)目のケア

・目の洗浄
花粉やホコリなどの異物を洗い流すことで症状が軽減されます。市販の眼の洗浄液などを利用しましょう。

・目の疲労の回避
長時間にわたるテレビの視聴やパソコン作業をできるだけ控えて眼の負担を軽減させましょう。

 

【参考資料】

花粉症環境保全マニュアル2022

 

スギ花粉症について

 スギ花粉が飛散し始めています。現在まだ少量ですが、2月中旬には中国地方も飛散量が増えると予測されています。スギ花粉症はくしゃみ、鼻水、鼻づまりが主な症状ですが、鼻をこすったり、目をこすったりする症状もよくみられます。なお、ハウスダストやダニによって引き起こされる季節性ではない通年性のアレルギー性鼻炎であっても、春先のほこりや黄砂などが原因となって春先に症状が出やすいことがあります。
・診断に際しては症状とともに、鼻水検査、血液検査を行います。血液検査により鼻炎の原因がわかると、症状でやすい時期を推測することができます。
・治療は主に内服薬(抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン受容体拮抗薬)やステロイド点鼻液を用いて症状を軽減するようにします。
 鼻炎症状がみられる時には、軽いうちに症状を抑える方が楽に過ごせますので、症状がみられたら(もしくは例年みられる場合は症状がみられる前に)早めの受診をお勧めします。
※なお、気管支ぜん息を合併することも時々ありますので、気管支ぜん息に対する検査、治療が必要になることもあります。
※数年前からお子さんに対してもアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)という治療法が行われるようになっていて、当クリニックでも積極的に行っています。軽症〜重度のお子さんまで適応となりますので、希望される場合は一度ご相談下さい。
 免疫療法、そのほかについては当HP内のアレルギー性鼻炎も参照してください。

謹賀新年(2024年)

新年明けましておめでとうございます。
2020年1月から続いた新型コロナウイルス感染症は、2022年12月〜2023年1月の第8波において、特にお子様の感染がピークに達しました。その後昨年5月8日に感染症の区分が2類から5類へと移行し、社会の制約も緩和され、社会・経済活動が活性化しました。また子どもたちの園や学校などでの活動も制限が緩和され、活発になりました。しかし、その一方でインフルエンザや溶連菌、アデノウイルスなどの他の感染症の流行が続いています。当クリニックでは、これらの感染症に対する対策を徹底し、子どもたちの健康を守るための診療を継続しています。
この2~3年間で、当クリニックでは施設の改修や設備の更新、新たな医療機器の導入など改善を進めてきました。今後、カルテ記録や受診方法の改善、感染症診断や超音波診断の精度向上など、更なる診療の質の向上に努めてまいります。
保護者の皆様には、子どもたちの感染症予防にご協力いただき、心より感謝申し上げます。子どもたちが安心して活動できる日が早く来ることを願っています。日々の生活でご不安やご質問がある際には当クリニックにご相談ください。2024年も、子どもたちの健康と安全を守るため、スタッフ一同一層の努力をしてまいります。
本年も引き続き、皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

新しい検査機器(ウイルス・細菌多項目同時PCR検査機器)を導入しました

新しい検査機器「BioFire SpotFire R パネル」を導入しました。呼吸器感染に関連するウイルスや細菌に対する多項目同時PCR検査機器です。

検査時間は約15分程度で、一度に8種類のウイルスと4種類の細菌を検査することができます。

<ウイルス>
  • インフルエンザウイルス
  • 新型コロナウイルス
  • 季節性コロナウイルス
  • パラインフルエンザウイルス
  • ヒトメタニューモウイルス
  • アデノウイルス
  • RSウイルス
  • ヒトライノウイルス/エンテロウイルス
<細菌>
  • マイコプラズマ
  • クラミジアニューモニエ
  • 百日咳菌
  • パラ百日咳

 

★発熱しているお子さま全員に検査するものではなく、発熱が長びく場合などお子さまの経過、状態に応じて医師の判断で行います。

★感度が高いため、感染後早期段階での検出が可能ですが、病状と直接関係しないウイルスや細菌であったり、過去(およそ2ヶ月前程度)に感染したウイルスや細菌に対して陽性反応を示す場合があります。
このため、病状や経過、本検査の結果を総合的に判断して、最終的な診断を行います。

★検査中、約30秒間サイレンのような少し大きな音が出ますが、音が出る前にスタッフがお知らせしますので、ご理解とご協力をお願いします。

 

 

 

 

今シーズンのインフルエンザの流行の特徴について

1.新型コロナウイルスの影響とインフルエンザ

新型コロナウイルスが広がり始めた2020年の秋から2021年の春にかけて、そして翌年も、私たちの住む地域によっては少しずつ違いがありましたが、インフルエンザの流行はほとんど見られませんでした。医療機関が報告する数字(定点報告数)も、流行の目安とされる1.0をはるかに下回り、0.02から0.04という低い数値が続いていました。しかし、2022年の秋から2023年の春にかけては、数字が1.0を超え、学校を休まなければならない状況も見られました。コロナウイルスとの同時流行が心配されましたが、幸いそのような状況にはなりませんでした。

 

2.今年のインフルエンザの流行の特徴

本年58日、新型コロナウイルスは感染症法における「5類感染症」として位置づけられることとなりましたが、その後もインフルエンザの感染は確認されていて、夏にも人々がインフルエンザにかかる事例が続いています。通常、春には大流行しないインフルエンザですが、今年の春は例年の警報レベルには至らないものの、ある程度の感染が見られました。また、夏になると通常は感染者が出なくなるのですが、今年は夏でも感染が確認されていました。そして、例年は11月からが流行の始まりですが、今年はその2ヶ月前の9月から流行が始まり、10月には注意が必要な状態になってしまいました(10月後半に定点あたり10の注意報のレベルを越え、さらに10月終わりに警報レベル(定点あたり30)に達しています)。

3.感染対策と集団免疫の重要性

新型コロナウイルスの拡がりを抑えるための手洗い、マスク、距離を保つことは、他の病気の予防にも役立っていました。しかし、その間に私たちは感染症から遠ざかっていたため、体の防御機能が十分に働く機会が減ってしまったようです。これは「免疫負債」と呼ばれ、最近の感染症が増える原因になっていると考えられています。これからはワクチン接種を受けることに加えて、手洗い、うがい、正しい咳の仕方を心がけて、インフルエンザの予防に努めましょう。

 


※国立感染症研究所のデータに基づくインフルエンザの流行推移グラフについて(⇒こちら

国立感染症研究所のデータに基づくインフルエンザの流行推移グラフを提示します(こちらのリンクからご参照ください

こちらのグラフでは、過去10年間のインフルエンザの活動状況が視覚的に比較できるようになっています。

グラフ内で目立つ赤色の線が、現在のシーズンを表しています。このシーズンでは、1月から3月にかけてインフルエンザの流行が見られました。一般的に春になるとインフルエンザウイルスの活動は落ち着く傾向にありますが、今年はいったん減少したものの、9月中旬以降、流行が再び増加するという珍しいパターンを示しています。例年の傾向にとらわれず、流行の再増加に備えて、手洗い、咳エチケット、ワクチン接種などの基本的な予防策を継続しましょう。


 

お知らせ:AI搭載インフルエンザ検査医療機器『nodoca』のご案内

当クリニックでは、インフルエンザの診断支援ツールである、AI技術を駆使した画期的な機器「nodoca」の使用を開始しています。これは、お子様がインフルエンザに罹患した際、特有の咽頭の変化をAIが分析し、迅速かつ正確な診断を支援するものです。以下に、その特長と利用方法についてご説明します。

1.「nodoca」による診断方法

インフルエンザウイルスに感染すると、初期段階で咽頭に特徴的な変化が現れます。これを「インフルエンザろ胞」と称し、小さな粒々が認められます。しかし、これらは肉眼では判別が難しいため、nodocaがその役割を担います。

  • 検査の流れ:問診聴取、次に咽頭の写真を撮りその画像をAIが分析。インフルエンザろ胞の特徴と一致するかを数秒で判定し、最終的に総合的な判定がなされます。判定結果は「検出あり」もしくは「検出なし」と表示されます。

2.「nodoca」の優れた特性

  • メリット:喉の写真撮影による検査ですので、鼻に綿棒を挿入することがない、痛みを伴わない検査です(なお、クリアな画像を得るために舌圧子を用いることがあります)。
  • 早期検出:発症12時間以内であっても、従来のインフルエンザ抗原検査キットと比較して高い検出率を示します。実際に当クリニックでの使用経験では、発熱からわずか2〜3時間で検出した例や微熱での検出例もあります。

3.検査の適応

  • 適応年齢:6歳以上で使用可能です。
  • 早期検査:症状が出始めて12時間以内であれば、nodocaを積極的に使用しています。
  • 12時間超過時:感度の高い通常の抗原検査を基本としつつも、鼻の検査が困難な方にはnodocaを選択肢としてご提供しています。

4.ご理解いただきたいこと

  • 型の判定不可:インフルエンザウイルスの有無は判定可能ですが、A型かB型かの区別はできません。
  • 診断精度:精度は100%ではなく、約80%程度ですが、従来の抗原検査と比べても劣ることはありません。

皆様に安心してご利用いただけるよう、最新の技術を取り入れた診断方法で診療を行っていきたいと思います、ご不明点やご心配な点がございましたら、いつでもご相談ください。

 

開発企業(アイリス)のHPから(許可を得て掲載)☞アイリスHP

☝<nodocaの特徴> 

 

☝<インフルエンザに特徴的な所見> 

 

☝<nodocaを用いた検査の流れ> 

 

 ☝<通常の抗原検査との検出率の比較:

→発症12時間以内はnodocaの検出率が高い傾向があります> 

 

インフルエンザ警報が発令されました

令和5年10月23日(月)~10月29日)の期間にインフルエンザの報告数が急増し、11月1日にインフルエンザ警報が発令されました

当クリニックでも1〜2週前からインフルエンザの患者さんが増えてきています。

今後、さらに流行が拡大する可能性がありますので、マスク、手洗いなどの予防対策を再度見直しましょう。

※インフルエンザの注意報と警報について:1医療機関あたりの1週間の報告数によって基準が決められています

注意報基準は10以上、警報基準は30以上です。