新しい検査機器(ウイルス・細菌多項目同時PCR検査機器)を導入しました

新しい検査機器「BioFire SpotFire R パネル」を導入しました。呼吸器感染に関連するウイルスや細菌に対する多項目同時PCR検査機器です。

検査時間は約15分程度で、一度に8種類のウイルスと4種類の細菌を検査することができます。

<ウイルス>
  • インフルエンザウイルス
  • 新型コロナウイルス
  • 季節性コロナウイルス
  • パラインフルエンザウイルス
  • ヒトメタニューモウイルス
  • アデノウイルス
  • RSウイルス
  • ヒトライノウイルス/エンテロウイルス
<細菌>
  • マイコプラズマ
  • クラミジアニューモニエ
  • 百日咳菌
  • パラ百日咳

 

★発熱しているお子さま全員に検査するものではなく、発熱が長びく場合などお子さまの経過、状態に応じて医師の判断で行います。

★感度が高いため、感染後早期段階での検出が可能ですが、病状と直接関係しないウイルスや細菌であったり、過去(およそ2ヶ月前程度)に感染したウイルスや細菌に対して陽性反応を示す場合があります。
このため、病状や経過、本検査の結果を総合的に判断して、最終的な診断を行います。

★検査中、約30秒間サイレンのような少し大きな音が出ますが、音が出る前にスタッフがお知らせしますので、ご理解とご協力をお願いします。

 

 

 

 

今シーズンのインフルエンザの流行の特徴について

1.新型コロナウイルスの影響とインフルエンザ

新型コロナウイルスが広がり始めた2020年の秋から2021年の春にかけて、そして翌年も、私たちの住む地域によっては少しずつ違いがありましたが、インフルエンザの流行はほとんど見られませんでした。医療機関が報告する数字(定点報告数)も、流行の目安とされる1.0をはるかに下回り、0.02から0.04という低い数値が続いていました。しかし、2022年の秋から2023年の春にかけては、数字が1.0を超え、学校を休まなければならない状況も見られました。コロナウイルスとの同時流行が心配されましたが、幸いそのような状況にはなりませんでした。

 

2.今年のインフルエンザの流行の特徴

本年58日、新型コロナウイルスは感染症法における「5類感染症」として位置づけられることとなりましたが、その後もインフルエンザの感染は確認されていて、夏にも人々がインフルエンザにかかる事例が続いています。通常、春には大流行しないインフルエンザですが、今年の春は例年の警報レベルには至らないものの、ある程度の感染が見られました。また、夏になると通常は感染者が出なくなるのですが、今年は夏でも感染が確認されていました。そして、例年は11月からが流行の始まりですが、今年はその2ヶ月前の9月から流行が始まり、10月には注意が必要な状態になってしまいました(10月後半に定点あたり10の注意報のレベルを越え、さらに10月終わりに警報レベル(定点あたり30)に達しています)。

3.感染対策と集団免疫の重要性

新型コロナウイルスの拡がりを抑えるための手洗い、マスク、距離を保つことは、他の病気の予防にも役立っていました。しかし、その間に私たちは感染症から遠ざかっていたため、体の防御機能が十分に働く機会が減ってしまったようです。これは「免疫負債」と呼ばれ、最近の感染症が増える原因になっていると考えられています。これからはワクチン接種を受けることに加えて、手洗い、うがい、正しい咳の仕方を心がけて、インフルエンザの予防に努めましょう。

 


※国立感染症研究所のデータに基づくインフルエンザの流行推移グラフについて(⇒こちら

国立感染症研究所のデータに基づくインフルエンザの流行推移グラフを提示します(こちらのリンクからご参照ください

こちらのグラフでは、過去10年間のインフルエンザの活動状況が視覚的に比較できるようになっています。

グラフ内で目立つ赤色の線が、現在のシーズンを表しています。このシーズンでは、1月から3月にかけてインフルエンザの流行が見られました。一般的に春になるとインフルエンザウイルスの活動は落ち着く傾向にありますが、今年はいったん減少したものの、9月中旬以降、流行が再び増加するという珍しいパターンを示しています。例年の傾向にとらわれず、流行の再増加に備えて、手洗い、咳エチケット、ワクチン接種などの基本的な予防策を継続しましょう。


 

お知らせ:AI搭載インフルエンザ検査医療機器『nodoca』のご案内

当クリニックでは、インフルエンザの診断支援ツールである、AI技術を駆使した画期的な機器「nodoca」の使用を開始しています。これは、お子様がインフルエンザに罹患した際、特有の咽頭の変化をAIが分析し、迅速かつ正確な診断を支援するものです。以下に、その特長と利用方法についてご説明します。

1.「nodoca」による診断方法

インフルエンザウイルスに感染すると、初期段階で咽頭に特徴的な変化が現れます。これを「インフルエンザろ胞」と称し、小さな粒々が認められます。しかし、これらは肉眼では判別が難しいため、nodocaがその役割を担います。

  • 検査の流れ:問診聴取、次に咽頭の写真を撮りその画像をAIが分析。インフルエンザろ胞の特徴と一致するかを数秒で判定し、最終的に総合的な判定がなされます。判定結果は「検出あり」もしくは「検出なし」と表示されます。

2.「nodoca」の優れた特性

  • メリット:喉の写真撮影による検査ですので、鼻に綿棒を挿入することがない、痛みを伴わない検査です(なお、クリアな画像を得るために舌圧子を用いることがあります)。
  • 早期検出:発症12時間以内であっても、従来のインフルエンザ抗原検査キットと比較して高い検出率を示します。実際に当クリニックでの使用経験では、発熱からわずか2〜3時間で検出した例や微熱での検出例もあります。

3.検査の適応

  • 適応年齢:6歳以上で使用可能です。
  • 早期検査:症状が出始めて12時間以内であれば、nodocaを積極的に使用しています。
  • 12時間超過時:感度の高い通常の抗原検査を基本としつつも、鼻の検査が困難な方にはnodocaを選択肢としてご提供しています。

4.ご理解いただきたいこと

  • 型の判定不可:インフルエンザウイルスの有無は判定可能ですが、A型かB型かの区別はできません。
  • 診断精度:精度は100%ではなく、約80%程度ですが、従来の抗原検査と比べても劣ることはありません。

皆様に安心してご利用いただけるよう、最新の技術を取り入れた診断方法で診療を行っていきたいと思います、ご不明点やご心配な点がございましたら、いつでもご相談ください。

 

開発企業(アイリス)のHPから(許可を得て掲載)☞アイリスHP

☝<nodocaの特徴> 

 

☝<インフルエンザに特徴的な所見> 

 

☝<nodocaを用いた検査の流れ> 

 

 ☝<通常の抗原検査との検出率の比較:

→発症12時間以内はnodocaの検出率が高い傾向があります> 

 

インフルエンザ警報が発令されました

令和5年10月23日(月)~10月29日)の期間にインフルエンザの報告数が急増し、11月1日にインフルエンザ警報が発令されました

当クリニックでも1〜2週前からインフルエンザの患者さんが増えてきています。

今後、さらに流行が拡大する可能性がありますので、マスク、手洗いなどの予防対策を再度見直しましょう。

※インフルエンザの注意報と警報について:1医療機関あたりの1週間の報告数によって基準が決められています

注意報基準は10以上、警報基準は30以上です。

新型コロナワクチン(12~18才)令和5年秋開始接種について

米子市では、令和5年9月21日(木)より、12才以上の方への令和5年秋開始接種がはじまりました(接種期限;令和6年3月31日)。当院では、10月28日(土)よりアイチケットによるオンライン受付を開始いたします。電話・窓口での対応はしておりませんので、どうぞご了承ください(なお接種日程については、今後更新の可能性があります)。

アイチケットからのご予約はこちらから ⇒ コチラ

対象者;米子市に住民票のある方で、初回接種(1・2回目)を受けられ、前回接種から3か月以上経過している接種当日1218才に該当する方≫

☆ 米子市からの接種券・予診票等がお手元に届いていることをご確認の上、予約をおとりください
☆ 接種当日は、保護者の方の同伴が必要です
☆ 新型コロナワクチンと他のワクチンとの接種間隔については、前後2週間は受けることができませんのでご注意ください(インフルエンザワクチンについては、同時接種が認められていますが、当院では少なくとも1週間程度の間隔をあけることをおすすめしています


接種日時;
11月 11日(土)25日(土) 9:00~9:15
850までには必ずご来院ください

接種方法;
上腕への筋肉注射(オミクロン株XBB.1.5対応1価ワクチン/ファイザー社
※肩を出しやすい服装でご来院ください
接種後1530分程度の経過観察が必要です
※アレルギー歴あるいは血管迷走神経反射(採血時、失神等)の既往がある方は30分の経過観察が必要です

当日持参するもの;
接種券、予診票等(市役所より送付された封筒中身一式、事前にご記入・来院前の体温測定もお願いします)
母子健康手帳(中学生以下は必須)
健康保険証(ご本人確認のためにご持参ください)
お薬手帳(お持ちの方)
お忘れになった場合接種できないことがありますのでご注意ください

接種費用;
無料(全額公費)となります

キャンセルについて;
直接当クリニックまでお電話にてご連絡下さい
キャンセルによるワクチンの廃棄が生じないよう、ご協力のほどよろしくお願いします


新型コロナウイルス感染症が疑われる場合のご対応について
(下記いずれかに該当される場合は、必ず事前にお電話でご連絡の上ご相談ください

□ 接種予定日2週間以内に、本人(同居する家族)が新型コロナウイルス感染症と診断された
□ 接種予定日1週間以内に、通学先等で新型コロナウイルス感染者がみられた
□ 接種予定日1週間以内に、37.5度以上の発熱、その他咳嗽・咽頭痛・鼻汁等体調不良の症状がみられた


新型コロナワクチン接種情報/米子市ホームページ

〇 ワクチンの効果や副反応に関する相談窓口
鳥取県新型コロナワクチン相談センター:0120-000-406(フリーダイヤル)
9:00~17:15(土日・祝日も対応)

〇新型コロナワクチンに関する相談
厚生労働省新型コロナワクチンコールセンター:0120-761-770(フリーダイヤル)
9:00~21:00(土日・祝日も対応)

新型コロナウイルスの感染状況:9/29発表分〜感染者数は減少傾向です

新型コロナウイルス感染者数は鳥取県全体、鳥取県西部とも7月24日〜31日の週をピークとして減少傾向です。

当クリニックに受診するお子さんも1〜2週前からかなり減少傾向と思いますが、家族内での感染や文化祭や運動会などの学校行事での感染と思われるお子さんがありますので、当面は感染対策を十分に行いながら過ごしましょう。

 

【定点医療機関の新規報告数と年代別割合(2023年5月8日〜9月24日)】
            鳥取県のデータを元に作成

  【年代別割合グラフ】9/18〜9/24のデータ(9/29発表分)

 

  年代別割合グラフからは、20歳未満は26%と約1/4を占めています。1か月前は約1/3の割合でしたので、若年層の割合は減少傾向のようです。

 

 

1歳未満のお子様へのインフルエンザワクチン接種について

インフルエンザワクチンは、生後6ヶ月から接種可能となります。1歳未満のお子様は、有効な免疫が得られない場合もありますが、接種をすることで重症化を防ぐ事が出来るという報告もされています。周囲のご家族が接種されることも予防効果につながます。

ご本人が通園されている、通園されているごきょうだいがおられるなど感染のリスクが高い場合は接種をご検討ください。

またインフルエンザワクチンにはごく少量の卵の成分が含まれていますが、少量でも卵を含む食品を摂取されるいるお子様は接種可能です。

離乳食を始めたばかりで卵を摂取したことがない、卵を摂取しアレルギー症状が出た事があるお子様で接種を希望される場合は早めにご相談ください。

インフルエンザワクチンQ&A

★ 1歳未満の赤ちゃんへのインフルエンザワクチンの有効性と意義は?

★ 卵アレルギーのあるお子さんにインフルエンザワクチンは接種できますか?

 

『インフルエンザ予防接種のご案内』はこちら

新型コロナウイルス:学校での集団感染が増えています

9月に入ってから、学校での集団感染が増加しているという報告が寄せられています。
学校行事も普段通りに開催されているため、感染の危険性は残念ながら高まっている可能性があります。子どもたちが学校で安心して過ごせるよう、感染予防には十分注意を払いましょう。以下に、県のHPから最近の感染事例(臨時休業事例)を掲載します。

鳥取県西部圏域の臨時休業事例
(2023年9月1日〜9月15日)

 (鳥取県HPより)

秋から冬にかけての季節の変わり目と喘息について

今年の夏は暑い日が多く、熱中症が心配されましたが、次第に暑さも和らいできました。この時期は、喘息の症状が出るお子さんが増えてきます。なぜこの時期に喘息に特に注意が必要なのか、そしてどのように対処すればよいのか、以下で解説します。
※なお、気管支喘息と梅雨、台風との関係については別ページに記載していますので、ご参照ください(→こちら)。

1.なぜこの時期に注意が必要なのでしょうか?

季節の変わり目は、気温や湿度が大きく変わるため、喘息の発症に影響する場合があります。特に子どもたちは体調を崩しやすく、学校や年末年始のイベントも忙しいため、健康管理には十分な注意が必要です。

2.季節の変わり目によく見られる喘息の症状

主な症状には、咳、呼吸困難、息切れなどがあります。夜間や早朝に症状が出やすいので、慎重な観察とケアが必要です。

3.この時期によくある誘因とその対策

  • 乾燥: 寒くなると空気が乾燥し、これが気道を刺激します。加湿器を使い、湿度を適切に保つとよいです。
  • 花粉と室内アレルギー: 秋に花粉が飛び、冬には室内で過ごす時間が増えます。このため、ダニやほこりも気になる点です。こまめな掃除と空気清浄機が有効です。
  • ウイルス感染: インフルエンザやRSウイルスが喘息の症状を悪化させる可能性があります。
  • 運動と外出: 涼しくなると外で遊ぶ子どもたちは、冷たい空気を吸い込むリスクが増えます。この場合、マスクの使用が効果的です。

4.家庭でできる予防策

  • 加湿器の利用: 湿度を4060%に保つと良いとされています。
  • 空気清浄機でアレルゲン除去: 花粉やダニ、ほこりを取り除きましょう。
  • 手洗い・うがいの徹底: ウイルス感染を防ぐ基本的な方法です。
  • 温度管理: エアコンや暖房を使う場合は、温度を一定に保つことが重要です。
  • 良好な室内環境: 掃除と洗濯をこまめに行い、特に寝具は定期的に日光に当ててダニを減らしましょう。

5.症状が出た場合の対処法

症状が出たら、救急医療が必要な場合もあります。処方されている薬はきちんと管理し、必要なときにすぐに使えるようにしましょう。
このように、秋から冬への季節の変わり目は喘息にとって特にデリケートな時期です。しっかりとした予防と管理で、子どもたちが安心して過ごせるよう心掛けましょう。